屋根塗装する意味がない!?塗装してはいけない屋根とはどんな屋根か?

目次

01屋根塗装をする前に要注意!

屋根塗装をする前に要注意

外壁塗装をする際に、屋根塗装も一緒にするべきかどうか悩んでいませんか?屋根の塗装をするかどうかで費用が大きく変わってきます。
結論からいうと、意味がない屋根塗装のパターンは以下の3つです。

・塗装が必要ない屋根
・劣化している屋根
・不良材質を使用した屋根

塗装しても意味がない屋根は施工費用が無駄になってしまうだけではなく、状態が悪化してしまうこともあります。状態が悪化するということは補修の必要性が発生し、費用も増えるということです。

しかし、全ての屋根塗装の意味がないわけではありません。屋根や家を長持ちさせるために必要な塗装もあります。

この記事では、屋根塗装の必要性を知ったうえで、必要のない屋根塗装を避けることができるように情報を紹介しています。納得いく屋根塗装に出来るように業者選びや自分でのチェック方法などのポイントもまとめています。
これから外壁塗装や屋根塗装をお考えの方は参考にしてみて下さい。

02屋根塗装の基本知識

屋根塗装の基本知識

屋根塗装を説明するために、基本となる【屋根に使われる材料】【塗装が必要な理由】【屋根が劣化した場合に起こること】について説明します。

基本的な屋根材を知ろう

瓦屋根

瓦屋根

日本では古くから使われる屋根材で、今でも多くの家屋、建築物に使用されています。
瓦と言っても実はいろいろな種類があります。

陶器瓦(日本瓦)

陶器でできているので劣化に強く耐水性もある理想的な屋根材として日本でも古くから現代にわたって使われています。作るのに技術や手間がかかるので費用は高くなります。

セメント瓦(スレート瓦)

セメントで瓦の形に作られている屋根材です。セメントは塗膜がないと水を吸いやすい性質があり、温度の変化などによりダメージを受けやすい素材です。手ごろな費用で瓦屋根を葺けることから近年で広く使われている瓦です。

金属瓦

錆びに強く耐久性や防水性の高い金属を瓦型に加工した屋根材です。瓦屋根の風合いと機能性の特徴を活かし、なおかつ軽量で家の負担も軽くすることができることから近年開発が進んでいる瓦です。

スレート屋根 (コロニアル)

スレート屋根

スレートとは天然石またはセメントなどで造られた板状の屋根材です。特にセメント製スレート材は安価で加工もしやすくデザインや用途にも合わせやすいことから全国的に普及しています。
商品名「コロニアル」を通称とされることもありますが実際はいろいろな商品があります。
とても扱いやすい屋根材ですが、日本瓦やガルバリウム鋼板に比べて耐久性は低く、定期的なメンテナンスが必要になります。

ガルバリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板は錆びに強い薄くて軽い金属の板です。屋根だけではなく外壁材としても使用されています。
金属の外壁と言えば【トタン】も有名ですが、トタンは防錆効果のある亜鉛メッキが時間と共に劣化しやすい素材でした。ガルバリウム鋼板はアルミニウム、亜鉛、シリコンを組み合わせた【耐久性】【耐熱性】【軽量性】の高い屋根材です。
価格もスレート屋根やサイディングボードなどの外壁材よりは高価となっています。

屋根が劣化すると困ること

屋根が劣化すると困ること

屋根材が劣化すると困ることとして【外観が汚く見える】【雨漏り】【屋根材の落下事故】【家がダメになる】ということが起きます。

外観が汚く見える

屋根は年数を重ねると砂埃や塵などのごみが積もっていきます。そこにコケや藻が生えるなどいろいろなものが付着します。また、雨や風、紫外線などの影響により表面にダメージによる傷や色あせなどの劣化も見えるようになっていきます。

雨漏り

屋根は屋根材と防水シートにより雨や雪による水の浸蝕を防いでいます。屋根の最も大切な役割はこの【防水効果】です。屋根材のひび割れや品質の劣化により水の侵入を防ぐことが寝着なくなり、雨漏りの原因となります。

屋根材の落下事故

屋根材が劣化などにより割れを起こすと破片が落下や風によって飛散することがあります。飛散した屋根材が車や近隣の家に当たれば傷になってしまいますし、人に当たれば命にもかかわる重大な事故となります。

家がダメになる

屋根材の劣化に気が付かないと、最悪の場合家がダメになります。雨の浸蝕により家の中の壁や柱を腐らせてしまうと簡単に直すことはできません。大掛かりな修繕工事が必要になってしまうことがあります。

屋根の塗装が必要な理由

屋根の塗装が必要な理由

屋根塗装の必要性については賛否あります。
塗り替えることによって屋根材の劣化を防ぎ、その結果長持ちするという意見。
塗装工事で屋根に乗ることによって屋根材を傷つけてしまうという意見。
放置していても劣化はそれほど進まないという意見もあります。
屋根塗装についての解釈はいろいろですが、確実に言えることは次の2点です。

外壁とのバランス

屋根塗装を検討するのは外壁塗装をする際に一緒にやるかどうかということがほとんどです。この場合屋根塗装をしなくても劣化しない、することによって傷む可能性を考慮したとしても、外壁をきれいに塗りなおした後に屋根だけが汚れて古びたままなのはかなりアンバランスな仕上がりになってしまいます。

屋根材のメンテナンス

屋根塗装が良いか悪いかに関わらず、屋根の状態を確認してもらうことは大切なメンテナンスの一つです。塗装工事で傷む屋根かどうかは使用されている屋根材や屋根の劣化状態によります。適切なメンテナンスをすることで屋根が長持ちすることになります。早期に発見し補修することで家を守れるということは変わることのない事実です。

03塗装する意味がない屋根とは

塗装する意味がない屋根

塗装する必要がない屋根として【品質的に塗装が必要ない屋根】【劣化している屋根】【不良品を使用した屋根】について説明していきます。

塗装が必要ない屋根

日本瓦の屋根

日本瓦は耐久性がとても高く、耐用年数50年以上、衝撃などにより割れたりしない限り半永久的に使用できるとも言われるほどです。メンテナンスとしての塗装は必要ありません。

劣化していない屋根

特に目立った劣化がない屋根に塗装は必要ありません。屋根材に塗られている塗料の劣化もなく雨漏りの心配もない屋根を無理に塗装する必要はありません。ただし、塗装の有無を確認する際に年数だけで判断せずしっかりと専門的な知識を持つ業者に診断をしてもらうことが大切です。

劣化している屋根

塗装剥がれ

屋根材の塗膜が剥がれてしまっている状態のとき、塗料を上塗りすれば良いわけではありません。塗膜が古い塗料と一緒に浮き上がって剥がれてしまうことがあります。塗膜の剥がれ具合や古い塗料と新しく塗る塗料の相性の知識を持った職人に依頼する必要があります。

ひび割れ

スレート屋根材のようなコンクリートは水分を良く吸収します。水分を多く含んだスレート材が凍ると中の水分容積が増え、スレート材が割れてしまうことがあります。また熱の変化や工事の際に踏みつけることによってもひび割れは生じます。
劣化がひどい場合は一時的な補修をしてもまたすぐにひび割れてきます。この場合は屋根塗装をする前に葺き替えることも検討が必要です。

層割れ

スレート屋根材が劣化と共にその厚みにパイ生地のような層割れを起こしてしまうことがあります。層割れを起こしてしまうと修復は困難で、防水効果も機能しなくなってしまいます。
層割れは補修することができないため全体に広がっていき、屋根の葺き替えが必要になることもあります。

反り

スレート材など板状の屋根材が熱の変化など材質の劣化により反りあがってしまうことがあります。ひび割れや層割れとおなじように、屋根材自体の劣化が進んでいる状態です。
劣化が進んでいる場合は屋根塗装しても劣化の進行は止められません。屋根塗装をする前に葺き替えについても検討しておく必要があります。

パミールを使用した屋根

【ニチハのパミール】というスレート屋根材を使用している屋根は注意が必要です。1996年から2008年まで製造されたスレート屋根材で10年程の年数が経過すると層割れやひび割れを起こして崩れていきます。ニチハのパミールを使用した屋根を塗装しても品質が改善することはないので葺き替えやカバー工法による対応が必要になります。
スレート屋根は安価で使いやすいことで普及しましたが1990年代に製造されたものに中にはパミール以外にも品質の悪いものがいくつかあります。素人では見分けがつきにくく、適切な屋根の劣化診断ができる塗装業者に確認してもらうことが大切です。

04屋根塗装で失敗しない方法

劣化診断をしてもらう

劣化診断をしてもらう

外壁塗装を依頼する際には外壁や塗装が必要な場所を診断して「現調報告書」というものを書いてくれるのが一般的です。診断する際には屋根の診断もしてくれます。
塗装業者としては多くの箇所を塗装してもらった方が儲かるので利益優先の塗装業者は当然屋根の塗装も提案してきます。
重要なのは屋根塗装する意味がない、塗装しても使い物にならないような屋根を塗装しようとする業者や劣化を適切に見抜けない業者に注意することです。

対策としては、塗装工事を依頼する施主側もある程度基本的な知識を持って、診断の際に塗装業者に質問や提案をすることです。
屋根塗装する必要がない屋根について施主側からも積極的に質問し、葺き替えやカバー工法の必要性についても確認しておきましょう。

こんな業者は要注意!

外壁塗装では詐欺や悪質な業者も多いので注意が必要です。中でも多いのが訪問営業で「屋根が傷んでいるので見てあげますよ」などと言って屋根に上がり、営業マン自ら屋根を破壊して補修工事を依頼させるケースがあります。
劣化診断や屋根の確認は知っている塗装業者や確実に塗装実績の確認ができているなど信頼できる塗装業者に依頼することが大切です。

リフォームの選択肢を知る

リフォームの選択肢を知る

必要のない屋根塗装を避けるために塗装以外の選択肢を知ることも大切です。
一般的な屋根のリフォームで塗装以外の選択肢としてあげられる【葺き替え】や【カバー工法】について説明していきます。

葺き替え

屋根の構造は【下地】【野地板】【防水シート】【屋根材】の順で重ねられています。屋根の葺き替えとはこれらを交換する工事のことです。
葺き替え工事の中でも下地から野地板、防水シートを含むすべてを交換する【全面葺き替え工事】と傷んでいる場所だけを交換する【部分葺き替え工事】があります。

カバー工法

カバー工法はスレート屋根の上に防水シートを貼り、その上にガルバリウム鋼板などの軽い金属製屋根材やヒビ・割れ・錆にも強く耐久性が高いアスファルトシングという屋根材をかぶせる(カバーする)工法のことです。古い屋根材の撤去作業、廃棄費用などが掛からず短期間の工事で済み、費用も全面葺き替えより安くなります。

適切な業者を選ぶ

適切な業者を選ぶ

外壁塗装の知識をどれだけ集めても実際に施工する業者の質が悪ければどうにもなりません。外壁塗装で最も重要なのは適切で質の高い塗装会社を選ぶことです。
外壁塗装工事は頻繁に行うものではありません。知識や評判なしに質の高い業者を選ぶことは簡単なことではありません。ここでは適切な業者の選び方について説明をしていきます。

塗装請負の種類

塗装会社といっても実際に施工するのが誰なのかというは会社によって違いがあります。実際に塗装を行う職人がどのような仕組みで雇われているかというのはとても重要です。その仕組みによって方針や教育、指揮、命令など塗装の質全体に関わってくるからです。
塗装の請負については大きく分けて以下のような2種類があります。

・外壁に関連した業種から下請けに施工を依頼する。(ホームセンター、家電量販店、ハウスメーカー、工務店など)
・自社施工の塗装専門店

下請けに依頼するタイプの塗装会社の場合、仕上がりは下請け会社の職人の技術により仕上がりが大きく異なります。担当する営業職も塗装専門の会社ではないため知識や得意分野に違いがあります。
自社施工の塗装専門店であれば知識や技能、塗装に関する教育も統一しやすいので仕上がりの品質にもムラが出にくくなります。
何より塗装専門店は【塗装】に関しての信用が第一です。塗装に関する技術と知識の質を高めている場合が多く信頼性が高いと言えます。

ホームページを見る

施工を依頼する前に、ホームページを持っている塗装会社であれば内容を確認しておきます。ホームページに載っているからと言って内容がすべて信頼できるわけではありません。悪質な業者は嘘を書いている場合もあるので注意しましょう。
ホームページではその塗装会社がどのような方針で、何を大切にして塗装を行っているのか、得意な施工はどのようなことかなどを知ることができます。また施工実績を載せている場合もあるのでそれが事実かどうかの確認も含めて信頼性を確かめる手掛かりにします。

資格と認定証の確認

外壁塗装の信頼性を確認する基準として外壁塗装に関する資格や認定証があります。
資格や認定証には次のようなものがあります。

塗装技能士1級・2級

塗装職人の技能を証明する国家資格です。塗装に関する知識を必要とする学科試験と実際の技能を検定する実技試験を合格した職人が取得することができる資格です。

塗料メーカーの認定証

塗料はいろいろな化学薬品を含むため適切な使用方法や組み合わせを行わないと本来の性能を発揮できないばかりか悪い反応を起こして塗膜が剥がれ落ちてしまうこともあります。

塗料メーカーは自社の塗料を適切に取り扱ってくれる、信頼できる塗装業者である証として【認定証】を発行しています。
この認定証はタダでもらえるわけではなく、各塗料メーカーが信頼を確認するための厳しい基準をクリアした塗装会社にしか発行されません。

これらの資格や認定証の確認をすることで塗装会社のレベルや信頼性を確認することができます。

複数の業者と比較

良い業者を選ぶには比較することが大切です。1社だけの言うことを聞いてもその提案が家や自分に合っているのかどうかわかりません。価格の適正、信頼できる業者なのかどうかについて確証を得るのは難しいことです。
複数の業者に見積もり、劣化診断等を依頼してその内容を比較することで良い業者を選ぶことができます。
複数と言ってもあまり多すぎるとかえって混乱して分からなくなってしまうことがあります。比較は2~3社程度で十分です。

05屋根のメンテナンスが必要な時期とは

屋根のメンテナンスが必要な時期

築年数

屋根の塗装やメンテナンスを行う基準としては10年をめどに検討するのが一般的です。10年で劣化が進むわけではありませんが、築年数10年も経過すれば雨風、積雪、台風、温度の変化などによる影響がそれなりに蓄積してくる頃です。
多くの基本的な屋根材は10年でダメになることはありませんが、劣化の状態を確認し、早期に対応しておくことでその後も長持ちさせることができます。
逆にちょっとした補修で済むものを長年放置することで劣化が広がり高額な修繕費用が必要になることもあります。

屋根材の耐用年数

屋根材の耐用年数とは、屋根材がダメになってしまうこと。屋根材がダメになってしまうこととは雨や雪などの水の浸蝕を防ぐことができなくなった状態のことです。
塗装後の耐用年数は屋根材、塗料の種類によります。
屋根材の耐用年数は実際に配合されている素材、商品個々によって違いがあります。基本的な屋根材としての耐用年数目安は以下のようになります。

・日本瓦:50年~100年
・スレート屋根:20年前後
・金属屋根:30~60年
・セメント瓦:30年~40年

耐用年数は目安であり、それを超えたら使えなくなるわけではありません。逆に耐用年数以内であれば品質が保証されるわけでもありません。新築住宅の屋根の保証は法律で10年と定められていますが、それ以降は自分で責任を持たなければなりません。
気象条件、地震や台風、メンテナンス状態により屋根材の劣化状態には大きな違いが出ます。
耐用年数は「このくらいで葺き替えの必要性があるかも」という目安として把握しておきましょう。少なくとも耐用年数をこえた屋根材は劣化状態等の確認などメンテナンスについて考える必要があります。

災害等

屋根は自然環境から家を守ってくれるバリアのような役割をしてくれています。その分台風や大雪、地震などのダメージを直接受けてしまうのも屋根の特徴です。災害の後には以下の点に留意して屋根の状態を確認しましょう。破損があれば補修や修繕工事が必要な場合があります。
【要注意】確認の際は無理に屋根に登ったりせず外側から視認できる範囲で行います。素人が登ると落下事故の危険があります。見えない部分が気になる際は専門の業者に依頼してください。

台風の際には強風によって屋根材が飛ばされたり飛来物によってひび割れ、破損してしまったりすることがあります。
地震の際は揺れによって屋根材のズレや落下、振動によるひび割れが発生してしまうことがあります。
積雪の際は雪の重みによる変形、ひび割れ、隣に高い建物がある場合は落雪による衝撃でのひび割れや破損が発生してしまうことがあります。

破損した屋根をそのまま放置しておくと防水シートやその下にまで水が浸透し、腐食やカビなどの被害を広めてしまうことがあります。災害で異常を発見したらメンテナンスを行う良い機会としましょう。

06屋根塗装の費用

屋根塗装の費用相場

屋根塗装の費用相場

屋根塗装の費用では高すぎても安すぎても良くありません。適正な塗装費用の相場を知り、それを基準に品質が良いかどうかによって実際の見積金額に納得がいくかどうかを考えることが大切です。 屋根塗装の費用は【屋根材】【使用する塗料】【屋根の広さ】【地域】【施工に必要な人員数】の要素によって大きく異なります。そのうえで大雑把に最低でもこれくらいはかかるという目安で言うと【40万円~60万円程】です。

屋根塗装の費用相場は以下の要素によって大きく変わってきます。

使用されている屋根材

使用している屋根材が瓦なのかスレート材なのか、金属なのか。屋根材の種類によって作業工程や作業の手間が変わってきます。

使用する塗料の価格

塗料はただ色が着けば良いだけではなく、防水性や耐久性、艶や色味など機能性に大きな違いがあります。品質が高い塗料を使えばそれだけ費用も高くなります。

屋根の大きさ

屋根塗装では面積で料金を計算するのが基本です。面積が広ければそれだけ作業の手間、使用する塗料の量も増えます。

施工対象の家がある地域

日本国内でも住む地域によって生活にかかるお金に差があるため基本となる人件費に差があります。都心など物価や基本給の高い地域では屋根塗装の相場も高くなる傾向があります。

必要な人数

塗装するのに人数が必要な特殊な構造や立地にある屋根や、工期を短く終了してほしいなど必要な人数が多くなる理由がある場合は人件費が必要なので費用も高くなります。

基本的な費用の内訳

基本的な費用の内訳

屋根塗装でかかる基本的な費用の内訳は
・人件費
・材料費
・足場代
となります。

人件費は作業に当たる人数、職人の技術料などを含みます。材料費は上塗り塗料、下塗り塗料の他高圧洗浄や屋根塗装にかかる材料費です。
足場は屋根塗装をする際に必ず必要なものです。足場代は材料費などとは別で計算されるのが一般的です。足場の組み立て、解体の回数によって請求されますが、基本的には1回です。足場を解体した後から手直しを依頼すると再度足場代を請求されます。

屋根塗装の見積もり

屋根塗装の見積もり

屋根塗装の見積もりは安ければ良いというものではありません。安いということは安い塗料を使うか、必要な工程を省くか、職人に適切な給与や工事期間を与えていない可能性があります。逆に何も知らずに高額な金額を請求されることにも注意が必要です。

相場はある程度抑えるとともに信頼できる塗装会社から見積もりを取ってもらうことで地域の相場やどこにお金を使うべきかという参考にすることができます。

07自分でできる屋根の確認

屋根材の確認

屋根材の確認

外壁塗装をする前に屋根材の劣化状態を確認することで塗装が必要な屋根か、葺き替えやカバー工法を検討したほうが良い屋根かの判断基準になります。

要注意!

自分で視認できる範囲の屋根材を見ます。無理にはしごなどを使って屋根に登ると転倒や落下事故の危険性があります。また素人が踏み入ることで屋根材を傷つけてしまうこともあります。

劣化の確認

劣化の確認

家の外やベランダなどから視認できる範囲の屋根材で屋根材の劣化状態を確認します。
劣化の確認ポイントは屋根材の種類によって異なります。ここでは屋根材の種類別劣化の特徴、確認方法について説明します。

瓦屋根の劣化確認

瓦屋根は陶器かセメントかで大きく異なります。
陶器瓦の場合はほとんど劣化することはありませんが漆喰が劣化していないかを確認します。瓦表面が黒ずんでいたり、はがれていたりする場合は劣化している可能性があります。
セメント瓦の場合は塗装をしっかりしておかないと水分をよく吸う性質があります。 瓦共通の劣化確認としては、瓦のひび割れ、欠け、ズレがないか確認します。

スレート屋根の劣化確認

スレート屋根はセメントでできています。セメントは水分を良く吸うので寒い日などスレート内の水分が凍ることで内側から劣化が進むことがあります。
その他にも板がパイ生地のような層割れ、板の反り、ひび割れなどがないか確認します。劣化が進んでしまっている屋根は塗装しても雨漏りを防ぐことにはならず、屋根材自体の交換が必要な可能性があります。

金属屋根の劣化確認

金属屋根の一番の劣化は錆びです。錆びは金属が酸化して溶け出す現象なので放っとくと水がしみ出すようになり屋根材の交換が必要になります。
金属屋根の種類ではガルバリウム鋼板の他にもトタンやチタン、ステンレス素材もあります。
金属屋根共通の劣化として、ステンレスの場合でも腐食が絶対にないわけではありません。
その他にも強風や飛来物の衝突などによる傷や凹み、寒暖の変化による変形、屋根材が浮き上がってしまうなどの状態がないかを確認します。
金属屋根は丈夫で加工しやすい素材ですが、劣化が見つかった場合は広がらないうちに補修を行うことが重要です。

手抜き工事の確認

手抜き工事の確認

手抜きがあった場合、施工が完了してしまったあとでは業者に逃げられたり、話を取り合ってもらえなかったりします。手抜き工事を防ぐには工事している進捗をよく確認することがポイントです。
丁寧な塗装会社では【作業工程の説明】【毎日の進捗報告】を行ってくれるところもあります。基本的な作業工程を知り、手抜き工事を未然に防ぐことが重要です。
屋根塗装で行う基本的な作業工程を確認しておきましょう。

・高圧洗浄
・補修
・下塗り
・2度塗り
・縁切り(スレート屋根)

基本的な手順として、まずは【高圧洗浄】で屋根材に付いているごみをきれいに取り除きます。屋根材がきれいな状態になっていないとその上から何を塗ってもごみと一緒に剥がれ落ちてしまいます。

洗浄した後、簡単にできる場所であれば【補修や調整】を行います。
塗料を塗る前に塗料が屋根材にしっかりつくようにするための塗料を【下塗り】します。より丁寧な業者ではこの下塗りを2度塗することもあります。

下塗りが完了してから上塗りの塗料を塗ります。塗料の【上塗りは2度塗りが基本】です。2度塗りすることで塗装面が均一化しきれいな仕上がりになります。

最後にスレート屋根の場合は【縁切り】という作業があります。
スレート屋根は水はけを良くするためにわざと隙間が開けられています。塗料でこの隙間が埋められてしまうため渇いた後にスレート板の下に専用工具で切るように隙間を造っていくのが縁切りです。

基本的な作業手順がしっかり行われているのか、報告を聞くと同時に目で見て確かめることも重要です。

08屋根塗装の必要性について【まとめ】

屋根塗装の必要性について【まとめ】

屋根塗装はしないことによって劣化が急激に進むわけではなく、メンテナンスとして適切に行うことで屋根材を長持ちさせることができます。
塗装の必要がない屋根、塗装しなくてもいい屋根、塗装より葺き替えを考えたほうが良い屋根など、屋根の状態によってするべきことは変わってきます。
屋根のことを知り、良い塗装会社に相談することが屋根のメンテナンスでは重要です。今回の記事を参考にしていただき、屋根塗装で失敗しないための知識にしていただければと思います。