【外壁の危険なひび割れ】原因と対処方法から予防を考える

目次

01外壁のひび割れは放置しても大丈夫なのか?

新築でも5年くらい経つと建物の汚れや傷などが目立ち始める時期です。特に雨風に耐え続けている外壁は建物で最もダメージを受ける場所です。よく見ると小さなひび割れが起きていたりしませんか?
住宅を守ってくれる外壁にひびが入るとどんなことが起きるかご存じでしょうか?まだリフォームの時期ではなから大丈夫だと思い込んでいませんか?

結論から言ってしまうと、全てのひび割れに今すぐ補修が必要というわけではありません。しかしひび割れは多少でも外壁内に水分の侵入を許してしまい、外壁の劣化を早めます。深刻なひび割れの場合は放置しておくと内装や柱などにも広がってしまいます。

実はひび割れに大事なのは外壁材の種類です。ひび割れは【できている場所】や【外壁材】によって、原因も深刻度も全く異なります。

この記事では外壁のひび割れについて情報をまとめています。
外壁に出来たひび割れがどういう状態なのか、外壁の種類や特徴の違いについても分かるように解説しています。
この記事を読めば自宅の外壁に出来たひび割れがどういうものなのかが分かるようになります。併せて対処法や予防法もまとめています。ご自宅の外壁を守り、少しでも長持ちさせるメンテナンスができるように役立ててください。

02ひび割れの種類と影響

外壁のひび割れについて、基本的な知識を確認しておきましょう。
外壁に出来たひび割れは「クラック」と呼ばれます。クラックには大きく分けて3種類あり、それぞれ原因と危険度が違います。
クラック以外にも外壁の欠けや変形、つなぎ目の劣化なども同様の異常が起きている可能性があります。

クラックの種類

ヘアクラック

ヘアクラックとは外壁に髪の毛のような線が入っている程度の軽いひび割れの名称です。基準としては幅0.2㎜以下で問題の少ない浅いクラックのことです。
外壁全体に多数発生している場合や広範囲に及ぶ場合は深刻な問題や施工不良の可能性があります。一度専門の業者に点検してもらうことをおすすめします。

構造クラック

構造クラックとはヘアクラックより明らかに大きいひび割れが生じている状態の名称です。外壁や基礎部分に発生する建物の構造に影響を及ぼす可能性のあり、基準としては幅0.3㎜以上、深さ5㎜以上の大きなクラックのことです。
外壁内部に水分や異物が浸入しやすく、外壁内の鉄筋や建物の内装、橋やなどを腐食させてしまう可能性が高いので早急に補修する必要があります。

乾燥クラック

乾燥クラックとは見た目ではなく原因によるクラックの名称です。
モルタル外壁やセメントは中に含まれる水分が蒸発することによって固まります。乾燥する過程で体積が収縮する際に表面にひびが入ってしまうことがあります。これを乾燥クラックと呼びます。
乾燥クラックの大きさや形にはいろいろなものがあります。基本的にはヘアクラック程度のひび割れが全体に広がります。構造クラック並みのひびが入っている場合は直ちに補修または壁の張替えを行う必要があります。

貫通クラック

貫通クラックとは構造クラックの一種で、外壁材のひび割れが壁内部の鉄筋や木材まで達してしまっている状態の名称です。
鉄筋や木材が腐れば壁全体が傷んでしまうので早急に補修が必要になります。

開口クラック

開口クラックとは窓やドアなど外壁の開口部に発生するクラックの名称です。開口部の角に発生しやすく、ヘアクラックのように小さなものでも水分が染み込みやすい特徴があります。ヘアクラック程度のひび割れでも屋内に水が染みだしてくるなどの事例も多くあります。程度にもよりますが早めの補修がおすすめです。

特殊なひび割れ

シーリングのひび割れ

シーリングとはサイディングボードなどの外壁材の間に打ち込まれているゴム状の物質のことです。
コーキングと言われることもありますがシーリングとコーキングは外壁施工の際には基本的に同じものを示しています。

シーリングは外壁ボードの隙間を埋めるだけではなく水の侵入を防ぐ役割と、振動などによる歪みを緩衝する役割も持っています。シーリングが劣化してひび割れていると水の侵入や地震などの歪みで外壁が傷みやすくなります。
劣化が全体に及んでいる場合はシーリングを打ち替える工事が必要になります。

欠け

クラックが悪化するとひび割れだけではすまず外壁が欠けてしまいます。
クラックや塗膜の劣化などにより水分が外壁材内部まで染み込んでいくと、水分が凍る凍害や、鉄筋が錆びてしまうことで体積が膨張し外壁材が内側から破損します。
欠けた部分は外壁材が無防備な状態になっていて、雨や風の影響を受けやすくなります。むき出しになった部分から水分が染み込んでいき、周囲の外壁にも影響を及ぼします。
外壁が欠けている場合は早急な補修が必要になります。

外壁材の変形

窯業系サイディングや金属系サイディングのような外壁ボードで建物を覆っている外壁材は劣化により外壁材が反ったり物がぶつかったりするなど、外的な力によって変形してしまう場合があります。
外壁が変形している場合はボードの間に隙間が発生している可能性があります。隙間から雨などの水が浸入すると外壁材だけでなく梁や柱まで傷んでしまうことがありますので早急な補修が必要になります。

ひび割れによる影響

雨漏り

ひび割れから雨などの水が浸入します。外壁材の下には外の水分が屋内に侵入しないようにするための防水シートなどがありますが、水の侵入が多いと傷んできます。壁の防水機能がなくなると水は屋内に染み出るようになります。屋内に雨漏りしている場合はかなり悪化している可能性があります。

腐食

ひび割れから染み込んだ水分は壁の内部にも入り込んで鉄筋や木材など建物の重要な部分を腐食させてしまいます。鉄筋のサビは体積が膨張し外壁材を内側から破壊してしまいます。
建物を支える鉄骨や木材の腐食が進むと耐震性も弱くなり、ひどい場合は倒壊の危険が出てきてしまいます。

健康被害

ひび割れから染み込んだ水分により外壁内部にカビなどの細菌が繁殖します。構造クラックのような大きなひび割れでは壁の内部に虫が浸入してしまうこともあります。
不衛生な状態が続くと菌の胞子が生活空間を飛ぶようになり、健康的な被害につながってしまうこともあります。

劣化の進行

ヘアクラックや多少の劣化症状ではすぐに大きな被害はありません。しかし修繕を先延ばしにしすぎると状況は悪化し、もっと費用のかかる補修が必要になってしまいます。
多少でもひび割れがあるということはそこから水分が侵入しやすく、体積の増減により外壁内部が傷んでいきます。また目に見えない菌や胞子も入り込んでいきます。

03外壁の材質別ひび割れ

ひび割れは外壁材によって原因も対処方法も全く異なります。
外壁材別の特徴と原因を知ることで正しい補修を行うことが出来ます。

この記事では外壁の補修をDIYで行うことをおすすめしません。
外壁の補修は素人には難しく、専用の工具や材料も必要になりますし、きれいに仕上げるのはかなり難しい作業です。またしっかりと補修できていないこともあります。
住宅にとって重要な機能を持つ外壁は専門の業者に依頼することをおすすめします。

モルタル

材質の特徴

モルタルはセメントに砂などを混ぜたものが原料です。ボードを張り付けるのではなくモルタル材で外壁全体を覆うのでシーリングなどつなぎ目が必要ありません。昭和初期から主流だったトタンや木材外壁に比べて丈夫で長持ちすることから昭和中期から後期にかけて最も使用されていた外壁材です。
メリットとしては家の形に合わせやすく、模様などデザイン性にも自由度が高いという点です。
デメリットは材質的にひび割れしやすく、施工にも職人の技術が必要になります。防水性も低く水が染み込みやすい特徴があります。

ひび割れ症状と原因

モルタルはつなぎ目がなく家全体の外壁がつながっています。地震や地面から伝わる振動など揺れの力を逃がす部分が少ないので外壁に負荷がかかりひび割れが入りやすくなります。
セメントが材料でも温度の変化で多少体積の変動もあり、長年使用していると素材自体が劣化してきます。
窓枠やドア枠の周囲に出来る開口クラックも発生しやすく、ヘアクラック程度でも雨漏りすることがあります。

補修方法

モルタル外壁のひび割れ補修はひび割れに補修剤を入れて埋めます。
ひび割れ部分を削って溝を作ります。削った溝に密着性を高めるプライマーという材料を塗ります。プライマーの上からシーリング材など補修剤を溝に入れて埋めます。
その後に外壁塗装などを行うと補修痕も目立ちにくくなります。

業者に依頼する場合の費用は大きさによりますが小さなクラック1カ所程度なら1万円~5万円くらいが相場です。高所の場合足場が必要になると10万円~15万円くらいプラスになります。

窯業系サイディング

材質の特徴

窯業系サイディングはセメントと繊維質の原料を混ぜて成型し、窯で焼いた板状の外壁材です。施工ではサイディングボードを張り付けていくだけなので特別な技術の必要性が少なく、施工期間、費用も安く済みます。材質としても耐火性、耐久性、デザインが豊富などメリットも多くコストパフォーマンスに優れています。近年の住宅外壁としては主流になっている外壁材です。
デメリットは水分を吸いやすく、熱が蓄積しやすいという特徴があります。またサイディングを採用する場合はつなぎ目にシーリングを使用するためシーリングのメンテナンスも必要になります。

ひび割れ症状と原因

窯業系サイディングのひび割れの原因は主に次の3パターンです。

・塗装の劣化
・シーリングの劣化
・釘打ち部からの亀裂

塗装が傷むことによって外壁表面から水分が染み込みやすくなります。水分を含んだサイディングボードは内側の体積の変化や内部の鉄筋の錆により劣化しひび割れてきます。

水が染み込む原因としてシーリングの劣化も大きな影響があります。シーリングが劣化したつなぎ目から水が染み込んできます。またシシーリングはサイディングボードの緩衝材としての役割も行っています。シーリングが劣化すると硬くなってしまうため地震や振動による外壁へのダメージも大きくなります。

サイディングボードは釘で外壁に打ち込んでいるため釘の打ち込み部分が弱く、振動や周囲からの圧力によってひび割れてしまうことがあります。

補修と対処方法

ヘアクラックや多少の欠け程度であれば補修が可能ですが、大きなひび割れの場合はサイディングボードの交換が必要になります。
補修の場合はモルタル外壁と同じようにひび割れに沿って溝を掘り、プライマーを塗ってからとシーリングで埋める手順で行います。
外壁材の交換の場合、サイディングボードの大きさや範囲にもよりますが1万円~10万円程度が相場となります。

金属系サイディング

材質の特徴

金属系サイディングとはトタンやガルバリウム鋼板など金属板を使用した外壁材です。トタンやガルバリウム鋼板には防錆び効果があり、外壁材として広く採用されています。機能性はトタンよりガルバリウム鋼板の方が優れているため、近年の金属系サイディングではガルバリウム鋼板が主流となっています。
金属は熱くなりやすい性質がありますが、ガルバリウム鋼板の金属系サイディングでは断熱材が一体化されているため断熱効果や外気温の影響を受けにくくなっています。また軽くて丈夫、水の影響が少ない、振動に強いなど耐久性も高いという特徴があります。

ひび割れ症状と原因

基本的に金属系サイディングにひび割れという症状は起きません。金属系サイディングでおきる劣化は錆びによる影響です。錆びると金属がもろくなってきます。錆びを放置しておくことで外壁がボロボロになりひび割れが起きることはありますが、そこまで放置しておくということは外壁内部にも相当なダメージが予想されます。

補修と対処方法

金属系サイディングの傷や腐食による補修は基本的には傷んだ部分のサイディングを入れ替えます。小さい補修であれば同じような材質の板を上から張り付けるという方法もありますが、見た目が悪くなります。

金属系サイディングの補修費用は大きさや材質によりますが、一般的大きさ1枚の交換では3万円~10万円くらいが相場です。

ALCサイディング

材質の特徴

ALCサイディングとはセメントや珪石、発泡性のアルミ粉末などを原料とした小さい気泡がたくさん入っているコンクリートの外壁材です。「発泡性気泡コンクリート」とも呼びます。無数の細かい気泡が断熱、防音の機能を持ち、密度が低いことから丈夫で軽量なコンクリートとなっています。施工方法も独特で、揺れに強い工法で取り付けるため揺れによるダメージも少ないというメリットがあります。
デメリットとしては価格が窯業系サイディングの2倍以上というくらい高いということです。また水を吸収しやすいこともありしっかり防水しないと内側から劣化しやすい特徴があります。

ひび割れ症状と原因

ALCを劣化させる一番の原因は水分です。外壁材に染み込んだ水分が凍るなどして体積が膨張したり、ALC内部の鉄筋が錆びたりすることで内側から壊れていきます。塗装で防水をしっかり行い、シーリングのメンテナンスも欠かさないようにする必要があります。

補修と対処方法

補修の場合はモルタル外壁と同じようにひび割れに沿って溝を掘り、プライマーを塗ってからとシーリングで埋める手順で行います。
ひび割れや欠けがひどい場合は外壁材の交換が必要です。

ALC外壁の補修費用は大きさや材質によりますが、1万円~5万円くらいが相場です。交換の場合は5万円~10万円が相場です。

木材

材質の特徴

木材の外壁は自然の温かさや柔らかさがあります。近年のアウトドアブームの影響もあり木材の外壁を好む人が増えてきています。
木材は呼吸する建材ともよばれ気温や湿気などの影響を受けやすいとてもデリケートな素材です。外壁を守る塗膜が密着しにくく、塗装しても素材の伸縮により短期間で剥がれ落ちてしまいます。塗膜の保護なしでは紫外線、水、菌類、虫などにより劣化、腐食しやすいなどメンテナンスにも手間がかかります。

ひび割れ症状と原因

紫外線や腐食によって木の弾力性や伸縮性が失われ、ひび割れや欠けが発生しやすくなります。腐食が進行すると粉状になって砕けたり、シロアリのような害虫に食い荒らされたりします。
劣化の進行を遅らせるにはこまめな塗装や防腐対策が必要になります。

補修と対処方法

木材外壁の補修には基本的に木材の入れ替えを行います。木材の入れ替えを行うとその部分だけ新しく色の違いなども出てしまいます。
木材の外壁では補修に至らないようにメンテナンスしていくことが重要です。
費用相場は交換する場所や木材の種類によって大きく変わります。数万円~広範囲になれば数十万円~数百万円の費用が必要になります。

タイル

材質の特徴

タイルの外壁はモルタルなど下地の外壁に板状の陶磁器(タイル)を張り付けた外壁です。
タイルは色や形状が豊富でデザインの幅も広く、高級感があります。また防水性にも優れ、外壁表面を守るのにメリットが多い外壁材です。
デメリットとしては施工に技術やセンスが必要で費用も高額になります。また通常の外壁にプラスしてタイルを取り付けているので重くなり、建物にかかる負担も大きくなります。

ひび割れ症状と原因

タイルのひび割れは外壁の下地になっている素材が温度変化による伸縮や地震などの揺れによって歪み、耐えられなくなったタイルや目地にひび割れが発生します。
施工時にしっかり取り付けられていないなどの原因によりタイルが剥がれ落ちてしまうこともあります。

補修と対処方法

タイルの補修は下地とタイルの補修が必要になります。タイルの張替えの場合、同じ種類のタイルが必要で、ない場合は似たようなデザインを使用することになります。
ひび割れの深さや範囲によりますが、補修にかかる費用は軽微なひび割れで範囲も狭い場合であれば1万円~5万円くらいが相場です。

04外壁塗装でひび割れ防止

外壁のひび割れはない方が良いです。多少のひび割れでも外壁内部に影響を及ぼす可能性があります。
ひび割れは未然に防ぐことが大切です。ひび割れを防ぐ方法についても確認しておきましょう。

塗料の機能でひび割れを防ぐ

防水性

外壁のほとんどが水分に弱いという特徴があります。水分は温度によって体積が変化しやすく、菌類の繁殖にも繋がります。
外壁塗装の主な役割は家の色を決めることよりも、外壁材の弱点を補うことにあります。外壁塗装をしっかり行い、【塗料の膜=塗膜】のメンテナンスを行うことでひび割れを予防することが出来ます。

弾性(伸縮性)

建物は地震や車などが通る振動で揺れます。また温度によって伸縮する性質も持っています。こうした家の形状の変化に対応することが出来ないとひびが入ります。弾性(伸縮性)のある塗料を使うことでひび割れを防ぎ、小さなひび割れをカバーしてくれます。

透湿性

外壁材は水に弱いものが多く、防水性が必要です。しかし湿気は内側からも浸透してきますし、水分を完全に防ぐことはできません。
表面から水分を防ぐ防水性を持ちながら、内側の水分だけを通してくれる透湿性を持った塗料があります。

遮熱性

温度変化も外壁材を伸縮させ、ひび割れの原因になります。適度な温度で熱を遮断するために熱をある程度遮る遮熱塗料を使用することもひび割れや外壁の劣化を防ぐことになります。

低汚染、防カビ、防錆び

外壁は汚れにくいということも大切です。砂ホコリなど汚れが付着するとそこからカビやコケ、藻などが繁殖し、塗膜を傷めてしまいます。あらかじめ汚れがつきにくい塗料、カビなどが発生しない塗料を選んでおくことも重要です。金属系の外壁であれば錆びによる腐食を防ぐために防錆び機能のある塗料を選びます。

外壁材別ひび割れを防ぐ塗料の選び方

モルタル外壁に合う塗料

モルタル塗料の弱点は揺れに弱くひび割れやすいという点です。
モルタル外壁では多少のヘアクラックは発生するものだと想定し、それを補うために男性の強い塗料がおすすめです。
弾性の強い塗膜が貼られているとモルタル外壁にひび割れが起きても塗膜にひびが入りません。弾性の強い塗膜がバリアとなって水分の侵入を防ぐことが出来ます。

窯業系サイディングに合う塗料

近窯業系サイディングの弱点は目地があり、水分を吸いやすいという点です。
目地のシーリングが経年劣化してくるとサイディングボードに水が染み込んできます。窯業系サイディングを防水性の高い塗料で覆ってしまうと、この水分の逃げ場がなくなります。逃げ場を失った水分は内側から塗膜を剥がしたり、塗膜の風船のように水溜まりを形成したりしてしまうこともあります。
窯業系サイディングでは外からの水分に強く、内側からの水分を逃がす透湿性塗料がおすすめです。
サイディングボードが吸ってしまった水分を上手に放出することが出来ます。

金属系サイディングに合う塗料

金属系サイディングの弱点は錆びによる金属の劣化です。
金属系サイディングは塗装の劣化や傷ができることによって錆びが発生します。錆びは金属の性質を劣化させています。錆びが広がると穴が空いたり金属が硬く脆い状態になったりします。
金属系サイディングには防錆び機能の高い塗料がおすすめです。
錆びを防ぐことで金属の劣化を遅らせることが出来ます。

ALCサイディングに合う塗料

ALCサイディングの弱点は水分を含むことによる内部からの崩壊です。内部に入った水分は寒さで凍ることで膨張したり、鉄筋を錆びさせて膨張させたりします。ALC内部でこうした膨張が繰り返されることで内部組織が崩れていき、ひび割れや欠けの原因になります。
ALCサイディングでは防水性の高い塗料がおすすめです。

木材外壁に合う塗料

木材外壁の弱点は腐食と塗料密着の悪さです。
木材は紫外線や菌、虫などの影響で腐食しやすく、塗装によるメンテナンスが最も必要な外壁材です。
他の外壁材は塗装周期が10年前後という単位になりますが、木材外壁は2年~5年程度です。原因は木材の性質によって塗膜がすぐに剥がれてしまうということです。
木材外壁には浸透系の塗料がおすすめです。
木材表面ではなく材質の中に染み込むことで木材の腐食を防いでくれます。

タイル外壁に合う塗料

タイル外壁の弱点は見た目です。
タイルは耐久性が高いので劣化しにくい性質があります。素材も陶磁器なので水分にも強いです。しかし下地はダメージを受けるので塗装が全く必要ないわけではありません。ひび割れも下地の影響により発生します。
タイル外壁の場合はタイルが持つ独特のデザインを活かすために色がない透明なクリア塗料がおすすめです。
タイルの素材を活かしつつ、塗膜で下地を守ることが出来ます。

ひび割れが起きる前に点検

点検周期

ひび割れは外壁の劣化が原因であることが多く、外壁の劣化を防ぐには外壁塗装の劣化を点検することが大切です。
塗膜が外壁を守る機能を失う前に塗装工事を行うことで外壁を守ることが出来ます。
点検の周期は塗料や外壁材、築年数によって大きく異なりますが「半年に1回」と覚えておきましょう。

点検内容

外壁の点検内容として、以下のポイントに当てはまったら外壁の塗り替えか補修の必要があります。

・壁を触ると手に塗料の粉が着く。
・塗装が剥がれている部分がある。
・目地に入っているシーリングの体積が減っている。
・目地に入っているシーリングにひびが入っている。

このような状態が起きていると、外壁材が守られていない可能性があります。

塗装の劣化が見られたら

上記点検で当てはまるものが一つでもあれば補修や塗装工事が必要なタイミングです。
信頼できる業者を選び相談をしましょう。劣化診断や見積もりは無料で行ってくれます。
劣化の状態や費用の相場を知るために2~3社から見積もりをもらうことをおすすめします。

05まとめ

外壁のひび割れが深刻な状況かどうかを知るにはまず自分の家の外壁材に何を使っているか、素材についての情報が必要になります。
外壁材の違いによってひび割れが起きる原因や建物に与える影響、対応法保も違ってきます。
外壁のひび割れはすぐに対処しなくても良いものがありますが、外壁の劣化に全く影響がないわけではありません。できるだけ早く、正しい方法での対応が必要になります。
ひび割れ補修はDIYでは適切な補修ができていない可能性があり、おすすめしません。
補修には少なくとも数万円~必要になります。ひび割れが起きないようにするための塗料選びや点検をすることで、上手に外壁を長持ちさせるようにできます。
外壁のひび割れが気になったらこの記事を参考に対応や予防を行ってください。