【外壁洗浄と対策】11種類の症状別、汚れの落とし方と注意点を紹介

目次

01外壁の汚れは自分で落とせるの?

「最近外壁が汚れてきたなあ~」と気になっていませんか?新築でも5年ほど経つと外壁の変色や汚れのこびりつきなどが目立ち始めます。「このくらい自分でやってしまおう」と思っているのならちょっと待ってください!外壁の汚れ落としを間違った方法で行うと外壁塗装の寿命を縮めてしまう可能性があります。

外壁の汚れ落としは外壁塗装を傷つけないようにする注意点や種類に合わせた洗浄方法があります。ブラシでゴシゴシしても落ちない汚れもあります。汚れに対して合わないやり方で洗浄すると外壁塗装が剥がれる原因になります。

この記事では外壁に着いた汚れの種類別に、洗浄方法と汚れが付きにくくなる対策を紹介しています。
この記事を読めば外壁を傷めることなく付着した汚れに合わせた洗浄を行うことができます。また自分でできる場合とプロに任せた方が良い基準も分かるようになります。
最近外壁の汚れが気になっているという人は参考にしてください。

02外壁の汚れ落としをする前に絶対確認すること

外壁の汚れ落としをなんとなくすると・・・

・ケガや命の危険。
・塗装を痛めて修復にお金がかかる
・頑張ってもきれいにならない。

外壁汚れは落とし方だけではなく、この章で紹介することを絶対に確認してから行いましょう。

無理せず安全第一で行う

外壁の汚れはお金がかかるからといって自分で無理にやろうとしたり、必要な物品を揃えずに行ったりするのは危険です。
外壁の汚れを落として命も落としては割りが合いません。
外壁掃除のリスクを知ったうえでしっかりと対策を立てましょう。

高所は行わない

外壁の汚れは広い範囲になることが多く、手の届く範囲に収まるとは限りません。少しだからと油断せず、高所の汚れはプロの業者に任せる決断も必要です。

【次のような作業はケガや命の危険あり】
・高いところへ上って作業する。
・高いところへはしごをかけて作業する。
・ベランダから身を乗り出して作業する。
・屋根に登って作業する。

プロは落ちないための教育と安全対策を行ったうえで作業をしています。そんなプロでも落下事故はゼロではないのです。素人が高所での作業をすることの危険性を十分理解し、高所はプロに任せましょう。

洗剤の危険性を理解する

外壁の汚れ落としに使用する洗剤は強力で危険な薬品を含むものが多くあります。洗剤は使用する際に飛び散ります。霧吹きなどで噴霧する場合に限らず、手塗りでも必ず飛び散ります。
強い薬品は服を変色させてしまうほどの威力があります。目や鼻、皮膚への付着すると強い刺激で異常が起きます。皮膚の異常や失明のような重大なケガを負ってからでは取り返しがつきません。

【次のような考えは要注意】
・下の方だから顔には飛んでこないだろう。
・刷毛で塗るから飛び散らないだろう。
・一般的に販売されている洗剤だから大丈夫だろう。
・自分はしっかり防護服を着ているから大丈夫だろう。

洗剤のしぶきは自分だけではなく周囲にも飛び散ります。家族やペット、植物、近隣の家にも飛んでいきます。外壁掃除に洗剤を使用する際は必ず裏面にある注意事項を読み、安全に使用する必要があります。

必ず身に着けるべき防護衣

外壁掃除の洗剤にはいろいろな種類がありますが、特に次亜塩素酸を使用した洗剤は服を変色するだけではなく皮膚などを溶かしますので目、鼻、口、皮膚への付着は絶対に避ける必要があります。
少しだからと油断せず、危険性のある洗剤を使用する際は以下の防護衣を必ず着用しましょう。

【必要な防護衣】
・ヘアーキャップ(液体が染み込まない頭部を保護する帽子)
・防水ガウン(耐薬品用のガウンや雨ガッパ、ビニールガウンなど)
・ゴム手袋(ビニールや薄いゴム手袋は微小な穴が開いている場合がある)
・ゴーグル(目を保護する。目だけではなく広範囲に保護するゴーグル)
・マスク(口と鼻を保護する。できれば顔を守るために大きなもの)

最低でも上記の防護衣は着用しましょう。
洗剤のしぶきは気を付けていれば防げるようなものではありません。必ず飛んでくるという理解のもとで掃除を行いましょう。次亜塩素酸などは揮発して鼻やのどの粘膜を傷める洗剤もあります。

外壁塗装を傷つけない

外壁の掃除で安全の次に大切なことが塗装を傷つけないということです。
外壁は硬くて頑丈に見えますが、塗膜というバリアで守られているから劣化せずに長持ちしています。

【塗膜を傷付けてしまうと】
・塗膜の劣化が早くなり塗装費用がかかる。
・高機能な塗料を使用していても効果がなくなる。
・塗膜が剥がれて外壁が傷む。

節約のために自分で掃除をした結果、余計に費用がかかる結果になってしまうこともあります。外壁を傷めないために適切な道具や洗剤のリスクについても理解しておきましょう。

適切な道具の使用

劣化した塗膜ほど傷つきやすくなっています。具体的にどのくらいの力加減なのか、どのくらいまでなら大丈夫なのかという基準はありません。
明らかに傷つきそうなもので掃除をするのを避けることで傷つくリスクを減らします。

外壁表面をこする際は毛先の柔らかいブラシか、柔らかいスポンジで行います。汚れが頑固だからといって硬いブラシや研磨するようなスポンジはおすすめできません。外壁表面に付いた汚れや、浮かせた汚れを軽く落とすくらいの気持ちでこする程度です。

高圧洗浄機の使用は注意が必要です。プロが高圧洗浄を使うときは距離や水圧を調整して塗膜が傷まないように配慮しています。
塗膜の特性や劣化状態も分からないまま高圧洗浄をかけると健全な塗膜を剥がしてしまうリスクがあります。

洗剤のリスク

外壁掃除用の洗剤の多くは注意書きに「目立たないところで試してから使用してください」と記載されています。
外壁塗装に使われる塗料にはいろいろな化学物質が使われています。塗料は色だけではなく機能性、原料の違いなど特性があります。
塗料に使用されている化学物質と洗剤の成分には相性があります。合わない洗剤を使用すると塗膜が分離したり変色したりするリスクがあります。

塗料には色だけではなく機能もたくさんあります。

【塗料によって違う機能性】
・耐用年数(塗装の耐久力)
・遮熱性
・断熱性
・透湿性
・弾性
・防水性
・耐水性
・耐火性
・防カビ機能
・低汚染機能など

合わない洗剤を使用することによってこれらの機能が劣化または無効化する可能性があるというリスクは理解して使用しましょう。

汚れの種類を知る

外壁の汚れには種類があります。この記事では外壁に現れやすい11種類の汚れを原因別で3つに分類して紹介しています。原因に合わないやり方で掃除をしてもきれいにならず、やりすぎると塗装を痛めてしまいます。

【汚れの原因を3つに分類】
・生物系の汚れ
・非生物系の汚れ
・塗装の劣化による汚れ

それぞれの特徴について確認しておきましょう。

生物系の汚れの特徴

生物系の汚れとは、菌類、藻類、植物、虫など生き物が原因で起きます。
生物系汚れは繁殖により汚れが広がっていきます。生きているので根本から除去しない限りまた増殖して元に戻ってしまいます。
日当たりや湿度、天候、近隣に木々や河川があるなど環境的な要因で発生しやすい汚れです。

【生物系汚れの事例】
・コケやカビが繁殖することで外壁が緑色や黒色に変色している。
・家にツタなどが這って外壁を覆ってしまっている。
・蜘蛛の巣や虫のさなぎ、蜂の巣などが自然に落ちることなく外壁に付着し続けている。

非生物系の汚れの特徴

非生物系の汚れとは砂や塵、排気ガス、油などが原因で起きます。
非生物系の汚れは水や洗剤で壁から分離させて除去します。完全に除去すればきれいになりますが、細かい粒子が外壁の内部まで入ってしまうと沈着し洗っても落とすことが難しくなります。
飛来してくる塵やガス、換気扇から排出される油などが原因ですが、外壁材の形状や使用している塗料の性質、劣化も原因になります。細かい汚れが付着しやすい状況で発生しやすい汚れです。

【非生物系汚れの事例】
・外・壁に砂や塵が付着し外壁の黒ずみ、黄ばみが発生している。
・近くに交通量の多い道路があり排気ガスの影響で外壁が黒ずんでいる。
・換気扇の下の外壁に黒い油と汚れがへばりついている。

塗装の劣化による汚れ

塗装の劣化が起きると外壁表面に粉が噴き出る、剥がれてカスが出るなどの症状が現れます。これらは汚れ付着しているのではなく劣化した塗料が変化、分離することによって外壁から発生している汚れです。
外壁への対応は応急処置として、外壁塗装や外壁リフォームの検討を行います。

【外壁の劣化汚れの事例】
・外壁を触ると白い粉が付く。
・金属系の外壁にサビが出ている。
・外壁の表面の塗膜が剥がれてぽろぽろ落ちる。
・外壁の色が薄くなって汚く見える。
・外壁に細い線が入って汚く見える。

03生物系の汚れ

コケ・カビ

症状

初期はうっすらと一部分から緑色になり始めます。だんだんと範囲を広げて色も濃くなっていきます。気候や天候、通気性により短期間で広がることもあります。放置しておくと外壁内部に根を広げて洗浄しても落ちにくくなります。またコケ・カビの放出する胞子によってアレルギーなどの健康被害を及ぼすこともあります。

原因

コケ・カビなどの胞子が外壁に付着して雨や湿気により水分が継続的に供給されることで増殖していきます。
近くに河川や林、自然の多い環境では特に胞子の数が多く、コケやカビが発生しやすくなります。
直接的な原因はコケ・カビなどの菌類の増殖ですが間接的に付着しても異物が落ちにくい外壁にも原因があります。

【外壁に問題がある場合】
・外壁の凹凸が異物や水分をため込みやすく、壁面に菌類が定着しやすいデザインになっている。
・塗装が劣化していて表面に付いた異物や水分が雨などで流れにくくなっている。

汚れの落とし方

コケ・カビは一つ一つが小さいうえに壁面に根を張って密着しているのでブラシなどでこすってもなかなか落ちません。
コケ・カビ汚れを落とすには【外壁用バイオ洗剤】を使用します。
対象となる外壁に噴霧または塗布し、一定時間放置すると汚れが分解され、水で流すか柔らかいスポンジや布で軽く拭き取るだけで簡単に落ちます。
使用可能な外壁材、塗装への影響などは注意書きを読みリスクを承知したうえでの使用となります。

ツタ

症状

地面から生えたツタが壁面を這いながら成長し、範囲を広げていきます。放置しておくと家全体を覆うだけではなく家のちょっとした隙間、外壁のひび割れにも侵入してそこで成長し隙間を広げていきます。家の内部にも侵入し、やがて家を壊していきます。

原因

家の周囲の草刈りなどを怠っているとその中にまぎれたツタ植物が成長していきます。日の当たらないところでも自ら日を求めて成長していくので家の裏側など見えないところから広がっていくことがあります。

外観のおしゃれとして意図的にツタを這わせている家もありますが、それを放置したり家主が管理できなくなったりなどの理由で広がってしまう事例もあります。近隣の住宅へ広がってしまうこともあります。

汚れの落とし方

ツタは一見ただ張り付いているように見えますが外壁の凹凸に細かい根を張り巡らせています。外壁の細かい穴や突起に無数の根が張り付いているので引っ張っても簡単には剥がれません。
除去するには根元を切るか除草剤によって根を殺します。あとは根気よく外壁にへばりついたツタを剥がしていきますが、高所になることが多いので基本的には専門業者に相談することをおすすめします。
長年放置されている場合は外壁に根が浸入しているケースが多く、外壁の張替えなどその後のメンテナンスも必要になります。

虫(蜘蛛の巣など)

症状

外壁に蜘蛛の巣や虫の繭、さなぎ、蜂の巣などが付着します。たいていの場合自然に流れ落ちますが、外壁の形状やデザインによってなかなか落ちないものがあります。また山や河川に近い場所では大量に発生し家の外観を損なうこともあります。

原因

モルタル外壁のようなざらざらとした外壁材やサイディング外壁の溝など外壁の構造によって汚れが落ちにくくなっている可能性があります。
また虫の発生が多い場所では付着した汚れが落ちる周期より新しい汚れが付着する周期が早いためどんどん増加していきます。

汚れの落とし方

虫よけや駆除が可能な環境であれば対策を行います。虫が減ればそれほど目立たなくなります。
付着した虫のごみは水を流しながら毛先の柔らかいブラシやスポンジなどで洗い落とします。特に洗剤を使用する必要はありません。

04非生物系の汚れ

砂・ホコリ・塵

症状

砂や塵など細かい粉上の汚れが外壁に付着して外壁の色がぼやけて見えたり汚らしく見えたりします。放置しておくと汚れが積もってコケやカビが生えやすくなります。また油分やカルシウムにより壁に定着して落ちにくくなります。

原因

風で吹き付けられる砂やホコリ、花粉など多種にわたる砂、ホコリ、塵などが外壁の模様や溝、塗装の凹凸に入り込むことで起きます。
周囲の開けた砂埃の影響を受けやすい場所や花粉を多く輩出する針葉樹の多い地域、交通量の多い道路付近の住宅で多く見られます。

汚れの落とし方

まだ汚れが固まっていないうちは家庭用のシャワー付きホースなどの水で十分落とすことが出来ます。毛先の柔らかいブラシか柔らかいスポンジで塗装表面に付いた汚れを軽く落とすように洗浄します。
落ちにくい場合は外壁用洗剤か、軽度であれば食器用洗剤を薄めるだけでも油分を持った汚れを浮かすことが出来ます。

排気ガス

症状

排気ガスに含まれる物質が外壁に付着し、徐々に層が厚くなっていきます。油分を含み粘性があるのでホコリや塵などその他のゴミも吸着して汚れを悪化させます。
放置しておくと排気ガスの油分が硬くなり剥がれなくなったり、塗装の成分と癒着を起こして劣化を早めたりすることもあります。

原因

近隣に交通量の多い道路があるか、車の排気ガスが直接外壁に当たる場所に駐車場がある場合に起きやすくなります。

汚れの落とし方

排気ガスには油分が含まれているため油汚れを落とす洗剤を使用します。外壁用洗剤以外では食器用洗剤や刺激の少ない石鹸類でも油を落とすことが出来ます。外壁の状態にもよりますので刺激の少ない石鹸から試し、落ちないようであれば段階的に強い洗剤を試していきましょう。

症状

キッチン換気扇の排気口がある外壁周辺に、排出された油を含んだ空気が外壁に付着し、粘性のある油に風が運ぶ砂やホコリなどのゴミが付着し、カビなども繁殖していきます。
放置すると分厚いスライム上の塊になり、洗剤を使用しても容易に落とせなくなります。

原因

料理をする際に舞い上がった油が換気扇から壁に向かって排出されているために壁に油が付着します。油を使用する頻度や換気扇のフィルターによって汚れの度合いが変わってきます。フィルター無しで直に排出するタイプは汚れが付きやすくなります。

汚れの落とし方

油なので軽い汚れであれば食器用洗剤などでも落とすことが出来ます。油の量が多くなると粘性の強いスライム状になるので落とすのが大変になります。油が多くならないうちに掃除するのがおすすめです。また油の排出を減らすために質の良い換気扇フィルターの使用や、こまめなフィルター交換を行うことで外壁の汚れを軽減できます。

05外壁の劣化による汚れ

チョーキング

症状

見た目には大きな変化がなくても外壁に触るとチョークのような粉が付着します。光沢のある塗料を使用している場合は光沢がなくなり、ぼやけた印象になります。
塗装が劣化しているので外部からの汚れも付着しやすくなり、生物的な汚れ、非生物的な汚れも起きやすくなります。

原因

外壁塗料に含まれる成分が劣化し、分離して塗装表面に浮き出ている状態です。汚れが付着しているのではなく塗装内部から出てきているので外側を掃除しても改善しません。

劣化の対応

塗膜が劣化しているので塗装以外に改善する方法はありません。外壁の塗り替えを検討する時期に入っているサインです。早めに対応しましょう。

サビ

症状

金属系の外壁を使用している場合で、外壁にサビが発生している状態です。サビに雨などの水が加わることで溶けて流れ出し、サビの流れが跡としても残ります。またサビは付着した部分を劣化させる効果もあるのでどんどん広がっていきます。
サビは外壁を削っていくので放置すると穴が開きます。

原因

主な原因は2つ考えられます。1つは塗装の劣化です。金属を守る塗装が劣化したため水などが外壁材に浸透し、サビを抑えることが出来なくなる場合があります。
もう1つは何かをぶつけるなどの外的要因によって塗装面が傷ついて、そこに水などが付着してサビが出ている場合です。

劣化の対応

塗装の劣化であれば外壁塗装を検討する時期に入っているサインです。サビは進行すると外壁材自体を傷めます。外壁材が傷つきすぎると塗装では補えなくなり、張替えとなるとまた費用が高くなります。塗装の劣化によるサビは早急に対応することをおすすめします。

傷が原因でサビが出てしまった場合、外壁全体はまだ健全です。しかしそこからサビが広がるということには変わりがないので、ヤスリでサビをしっかり落とし、似たような色の塗料を探して塗ります。

色あせ

症状

外壁の色が一部または全体的に薄くなったり変色したりしている状態です。塗装当時の写真などと比べると明らかに退色が見られます。
外観は色がかすれて古めかしい印象になります。

原因

塗装が紫外線や雨風に長年さらされることによって劣化し、塗料の成分が分離したり紫外線によって変色を起こしたりしています。

劣化の対応

塗装全体の劣化が考えられます。おそらくチョーキング現象も同時に発生している可能性があり、塗膜も機能を果たさなくなってきています。外壁の塗り替えを検討する時期に入っているサインです。早めに対応しましょう。

クラック

症状

クラックとはひびが入っている状態です。塗膜が硬くなって裂けている場合と外壁材自体にひびが入っている場合があります。

原因

塗膜が裂けている原因は塗膜が劣化している可能性と下塗り塗料と上塗り塗料が合わず化学反応を起こしている可能性があります。
外壁材自体のひび割れは地震や外壁材の歪み、材質の劣化によってひび割れている可能性があります。

劣化の対応

塗膜が裂けている場合は塗膜の補修剤で応急処置などもできますが、外壁材と塗膜の状態により悪化する場合があります。また補修痕も汚くなるのでdiyでの補修はおすすめできません。
外壁材のひび割れは幅が広い場合、外壁の中に水が入り込んでしまいます。いずれにしてもクラックが気になるのであれば専門の業者に相談してみましょう。状態を診断するのは無料で行ってくれます。

塗装剥がれ

症状

外壁塗装の一部が浮いたり剥がれたりしている状態です。塗膜が剥がれているので掃除しても元に戻りません。外観も悪く、放置しておくと状態によっては広がっていく場合もあります。

原因

塗装が剥がれるに主に3つの原因が考えられます。
・塗膜の劣化により塗装が剥がれてしまった。
・塗装が不適切で塗膜と外壁材が密着できていなかった。
・サイディング外壁の場合目地のコーキングが劣化し染み込んだ水が気化して塗膜を浮かせてしまった。

劣化の対応

塗装の剥がれは補修が必要で、原因によって対応も変わるため、専門の業者に外壁を診断してもらうことをおすすめします。

06外壁の汚れ対策

外壁を汚れにくくする塗料

艶あり塗料

外壁塗料には艶ありと艶なしがありますが、汚れに対して違いがあります。

艶あり

メリット

・清潔感がある。
・新品感がある。
・明るい印象。
・汚れが付きにくい。

デメリット

・安っぽく見える。

艶なし

メリット

・おしゃれに見える。
・ビンテージ感がある。
・落ち着いた印象。
・汚れが目立ちにくい。

デメリット

・古めかしく見える。

艶ありは塗装表面が滑らかなので汚れがついても落ちやすい特徴があります。
艶なしは元々かすれた印象なので汚れが目立ちにくい特徴があります。

防カビ塗料

塗料の中に物質が殺菌や菌の繁殖を抑える効果のある物質を含んでいるためカビやコケの発生を防ぐことが出来ます。
河川の近くや木々に囲まれた土地、湿気が多い、風通しが悪いなどあらかじめカビやコケの発生が予測できる場合は使用の検討をおすすめします。
メーカーや商品によって含まれる成分に違いがあります。対応できる菌の種類、数の違いがある他、効果が持続する年月にも違いがあるので製品の品質をしっかり確認して使用しましょう。

低汚染塗料

低汚染塗料は通常の塗料よりも細かい粒子を使用しています。細かい粒子が固まることで粒子の間に汚れが入り込みにくくなるため汚れにくく、また汚れが付着してもすぐに落とすことが出来ます。
砂ホコリや排気ガスなどあらゆる汚れに強い特徴があります。汚れがつきにくいのでコケやカビの発生も抑えることが出来ます。
性能はメーカーや商品によって違いがあり、絶対に汚れないわけではありません。経年劣化や同じ場所に繰り返し汚れが流れ続けることによって黒ずみなどが発生することもあります。通常の塗料より汚れに強いという理解で使用しましょう。

光触媒塗料

光触媒塗料とは酸化チタンを含む塗料で日光が当たることで有機物質を分解する機能があります。分解された汚れは雨や風などで洗い流されていきます。セルフクリーニングという表現がされることもあり、外壁が自ら汚れを浄化する機能を持っています。
光触媒塗料の機能を発揮するには光が必要なため日の当たらない場所では効果を発揮しません。またセルフクリーニングの容量を超えた汚れには対応できない場合もあります。
価格も高いため光触媒機能が十分発揮する壁面で使用することをおすすめします。

汚れが目立ちにくい色

黒は多くの汚れが目立ちにくい色です。汚く見える汚れはほとんどが黒くなるので外壁を同じ色にすることで汚れは目立ちにくくなります。コケやカビなどの汚れも比較的目立ちにくい色です。
逆に白っぽい汚れは目立ちます。砂ホコリや蜘蛛の巣など白い汚れがつきやすい場所では汚く見えてしまうことがあります。

グレー

グレーは黒と白の間の色で、両方のメリットを持っています。汚れ全般が目立ちにくくなり、濃淡によりデザインの自由度も高いため最も人気のある外壁色です。
汚れの目立ちにくい範囲は広がりますが、黒ほど汚れを隠す機能は高くありません。

ベージュ・アイボリー

ベージュやアイボリーもグレー同様に中間的な色で汚れを目立ちにくくしてくれます。黒やグレーには劣りますが白が持つ明るい清潔感を演出しつつ汚れ目立ちを軽減してくれます。おしゃれで柔らかい印象を与えやすく、外壁の色としても人気があります。

ブラウン

ブラウンには赤っぽいブラウンや黒っぽいブラウンがあります。汚れと同化しやすい色なので汚れが目立ちにくくなります。レンガや土を連想しやすい色で外壁のデザインとしても幅広く使用される人気の色です。

07外壁クリーニングの相場

外壁クリーニングのみの相場

外壁クリーニングの実際の見積もりは家の大きさや形によって変わります。ここでは坪30坪程度、外壁の構造は一般的で汚れは家全体であることを想定した相場を紹介します。

【外壁クリーニングの費用が変わる要素】
・外壁の面積(費用の単価)
・外壁の構造(作業の手間)
・汚れの種類や程度(作業の手間)
・足場設置の有無(高所であれば設置が必要)
・廃棄物の有無(ツタや堆積物などのゴミ)

▼ 外壁クリーニングを専門業者に依頼した場合の相場

足場代 15万円~20万円(設置する広さと高さ)
クリーニング代 5万円~10万円(作業の範囲と手間)
廃棄物処理代 ~5万円(大きさと量、種類による)

外壁クリーニングを行う場合、ある程度外壁塗装の劣化も考えられるためクリーニングだけを依頼するよりも外壁塗装も一緒に行ってしまうケースがほとんどです。
クリーニングだけを行う場合、足場の設置など外壁塗装と同じ基本的な費用が発生してしまいます。
例えば外壁クリーニングを行って5年後に外壁塗装をすると、また足場代など基本的な費用が発生します。

クリーニング自体も外壁塗装を行う場合は塗装する前提のクリーニングなので塗膜の損傷を気にせず行える分手間が減ります。対してクリーニングだけになると慎重に洗浄する必要があり手間もかかり、その結果費用も高くなります。

外壁塗装込みの相場

外壁塗装の相場は坪30坪程度、外壁の構造は一般的な家を想定した場合80万円~、屋根も含めて100万円~となります。

実際の見積もりが変わる要素は外壁クリーニングと共通することもありますが、塗料の価格や外壁の補修、付帯物の形状や量による塗装の手間などで費用が大きく変わります。

【外壁塗装の費用が変わる要素】
・外壁の面積(費用の単価)
・外壁の構造(作業の手間)
・汚れの種類や程度(作業の手間)
塗料の価格(下塗り、上塗り含め)
・足場設置の有無(基本的に設置が必要)
・廃棄物の有無(ツタや堆積物などのゴミ、廃棄する外壁材の有無

▼ 外壁クリーニングを専門業者に依頼した場合の相場

足場代 15万円~20万円(設置する広さと高さ)
クリーニング代 2万円~5万円(作業の範囲と手間)
下処理代 10万円~20万円(外壁の劣化や外壁材の種類による)
付帯物塗装代 6万円~10万円(扉、窓の形状、数による)
シーリング代 6万円~10万円(サイディング外壁の場合)
塗装代 30万円~70万円(塗料の価格による)
屋根塗装 20万円~(屋根の材質、形状、劣化状態による)
廃棄物処理代 ~5万円(大きさと量、種類による)

外壁の汚れがつきやすくなっているということは塗装が傷み始めているサインであることが多く、塗装は10年ほどを目安に劣化の確認や塗り替えの検討が必要です。 新築や外壁塗装後から10年前後経過している場合はクリーニングだけではなく外壁塗装も同時に検討することをおすすめします。

08種類別外壁汚れの落とし方まとめ

外壁の汚れを落とすには汚れの種類を知って、適切な方法で落とすことが必要です。何の知識もなしに掃除を始めてしまうと外壁を傷めてしまう危険があります。
自分で落とせない汚れは無理をせず、外壁塗装業者等のプロに相談しましょう。ほとんどの業者が劣化診断やどうすればよいかなどの相談は無料で受け付けてくれます。

もし家全体のクリーニングが必要なほど汚れているのであれば外壁塗装もセットで検討したほうが、後々費用がかからなくて済みます。

何よりまず安全第一に、無理せず行うことが大切です。外壁の汚れが気になった場合は今回の記事を参考に試してみてください。