知っておくべき塗料の種類と性能とは?外壁塗装で失敗しない塗料の選び方を徹底解説!
1-1. 塗料選びは業者まかせでいいのか?
2)【外壁の異常】塗料選びと外壁の劣化
2-1. 外壁の異常
2-2. 塗料選びの失敗で起きる現象
2-3. 外壁用塗料選びで大切なこと
3)【材料別】塗料の種類
3-1.定番の塗料
3-2.高性能な塗料
4)【機能別】塗料の種類
4-1.共通する機能
4-2.特殊な塗料の機能
5)塗料と外壁材の相性
5-1.モルタル
5-2.窯業系サイディング
5-3.金属系サイディング
5-4.ALC外壁材
6)【塗料の色】効果と特徴
6-1.色の持つ心理的効果
6-2.色の機能
6-3.人気の色
7)有名な塗料メーカー
7-1.総合塗料メーカー
7-2.建築に特化した塗料メーカー
8)塗料で失敗しない塗装会社の選び方
8-1.怪しい営業トークに注意
8-2.塗装会社の仕組みを知っておこう!
8-3.信頼性の確認
9)失敗しない外壁用塗料の選び方まとめ
01外壁塗装の選び方
塗料選びは業者まかせでいいのか?
外壁塗装の塗料選びは色だけだと思っていませんか?外壁塗装用の塗料は色だけではなく配合されている材質から性能、品質、グレードなど多くの種類があります。
塗料は化学物質などを含んでいます。下地になる塗料との相性、外壁材との相性など専門的な要素も多いので、素人にはわかりにくいことがたくさんあります。
だからといって、専門的なことは業者に任せっきりで良いのでしょうか?知らずに工事を依頼して、あとから後悔することはないでしょうか?
この記事では外壁塗装用の塗料に関する選び方をわかりやすくまとめています。
塗料の選び方を【材料別の特徴】【機能の種類】【色の影響】【外壁材との相性】【塗料メーカーの特徴】に分けて紹介しています。
この記事を読めば基本的な塗料の種類や機能性を知り、自分の家の外壁にどんな機能が必要かを選べるようになります。また、外壁塗装を依頼する塗装会社に具体的な提案をするための基礎知識になります。
最後には適切な業者、品質の高い業者を選ぶ方法もまとめています。
外壁塗装という大イベントを失敗せず満足した仕上がりで快適な家づくりをするために、参考にしてみてください。
02【外壁の異常】塗料選びと外壁の劣化
塗料の選び方の前に、外壁の異常について知っておきましょう。
外壁の異常について基本的な状態を知り、塗料の選び方で外壁にどのような違いが出るのかを理解しておきましょう。また、外壁塗装するタイミングの参考にもなるので確認しておきましょう。
外壁の異常
色あせ
色あせは紫外線により塗料の色素が劣化している状態です。
もっとも大きな影響は【見た目】が悪くなってしまうことです。いろあせによって家全体がかすれてぼやけた印象になります。
必ずしも外壁の機能に異常があるわけではありませんが、色による紫外線を防ぐ効果や心理的効果は落ちてきます。
チョーキング現象
チョーキング現象は塗料の劣化により、塗料に含まれる成分が粉上に浮き出てしまっている状態です。主に白い塗料に含まれる顔料が粉末化して出る現象で、白や色の薄い外壁で起きやすい現象です。ただし白以外でも使われる成分なのではっきりとした色の外壁でも起こる現象です。
すぐに工事が必要なほどの異常ではありませんが【外壁が劣化しているサイン】です。放置しておくと塗膜の劣化が進んで外壁を守る機能がなくなっていきます。
クラック
クラックとは外壁に見えるひび割れのことです。
クラックには【外壁材自体がひび割れている】場合と、塗装によってできた【塗膜が劣化して硬くなったものが割れている】場合の2種類あります。見た目では同じように見えることもあります。
塗膜のクラックはすぐに対応が必要ではありませんが、外壁を守る塗装が破れている状態です。塗膜の亀裂から水が直接外壁に浸透していきます。錆びや外壁の劣化、外壁材自体のクラックの原因になっていきます。
外壁自体のクラックは幅が0.3㎜以上あるときは早めの補修が必要です。水が外壁内部に染み込み始めると内部の構造を腐食させてしまいます。
錆び
錆びは金属系の外壁や鉄骨の塗装が劣化し水が浸入して金属が腐食している現象です。
錆びは放置すると腐食が進行していきます。外壁材には穴が開き、鉄骨は家を支える機能を失うなど建物に大きなダメージを与えます。
錆びはできた部分だけではなく、さびが付着した健全な部分にもらい錆びを起こします。
錆びができたら錆びを完全に除去し、早急に適切な方法での補修が必要です。
汚れ
外壁に就く汚れには【砂】【泥】【カビ】【苔】【藻】などがあります。
外壁の汚れは見た目を悪くするだけではありません。
砂や泥汚れが付着することでカビや苔、藻が繁殖しやすくなり、帯壁の塗装表面に浸蝕して塗装を劣化させていきます。また白が光を反射するような色による効果も弱くなります。
凍害
凍害とは外壁材に染み込んだ水分が凍ることで膨張し外壁材が割れるような状態です。
モルタルや窯業系サイディングボードなどの外壁材は防水性が弱く、雨や雪、水をかけられるなどすると水分が外壁材内部に染み込みます。染み込んだ水分が凍ると外壁材内部で体積が膨張するので耐えきれずに外壁材が割れます。
主に寒冷地などで起こりやすい現象です。
外壁塗装を行うそもそもの理由は、このような現象を防ぐため外壁の表面を塗料の膜で覆うということが本来の目的です。
雨漏り
雨漏りは外壁の塗膜が劣化し、外壁材も傷んでしまったために家の内部まで水が浸入してきてしまっている状態です。
雨漏りを起こすと内部が傷んできます。木は腐り、虫が湧き、鉄骨は錆びて朽ちていきます。
ここまで来てしまうと外壁塗装だけではなく内部の補修を含む大掛かりな工事が必要になってしまいます。
塗料選びの失敗で起きる現象
塗料の選び方で失敗すると外壁を守る機能を発揮できません。具体的にどのようなことが起きて困るのか、塗料選びの失敗で起きる現象について確認しておきましょう。
塗装が短期間に浮く
外壁材との相性、下塗りと上塗りの塗料の相性が悪いと短期間で塗膜の浮きが現れます。塗膜の浮きとは、外壁材と塗膜が密着されておらず中で気泡のようなふくらみが発生している状態です。塗膜の浮きはやがて劣化して剥がれてきます。
外壁材との相性が悪い塗料を使用した質の悪い塗装工事では、工事後すぐにこのような状況が現れ始めることがあります。
塗膜内に水が溜まる
塗膜内に水が溜まる現象は、一見どこも穴が見えないのに外壁材に水風船のような、人間に例えると水泡のようなものができます。
染み込んだ水が外壁材と塗膜の間に水滴として溜まったり、小さな穴から密着の弱い部分に流れ込んだりして水が溜まります。伸縮性の高い塗料の場合は塗膜がゴムのように伸びるので大きな水袋ができます。
その他劣化が早い
塗料の耐久性、耐用年数は塗料のグレードや種類によって変わりますが、適切な方法を行わないで施工すると基準の耐用年数を待たずに劣化していきます。明らかに合わない塗料を使用すれば短期間で異常が現れますが、数年かけて分かりにくい場合もあります。
外壁用塗料選びで大切なこと
塗料選びは多くの人が【色】【耐用年数】【汚れの目立ちにくさ】【価格】を気にしています。しかしそれで本当に大丈夫なのでしょうか?
色や汚れなど見た目は確かに重要ですが、外壁塗装のもっとも重要な機能は【外壁を守る】ことです。
耐用年数や価格など、お金に関することも目の前の出費に気を取られると結局は余計なメンテナンス費用がかかってお金や時間も失ってしまいます。
外壁塗装の塗料選びでは次の優先順位で考えていくことをおすすめします。
塗料の機能性
塗料には外壁材ごとの弱点をカバーする機能、遮熱や断熱など家を快適にする機能があります。外壁塗装はその家に快適に住み続けることを目的として行うはずです。家を守り、生活を快適にする機能性のある塗料を選びます。
塗装後のメンテナンス
塗料には汚れが目立ちにくい色だけではなく、汚れそのものが付きにくい塗料、汚れを分解してしまう塗料などメンテナンスの負担を軽減してくれる性能の塗料があります。
メンテナンスを考えないと見た目が悪くなるだけではなく塗装の劣化も進みやすくなり、結局は別のメンテナンス費用が掛かってしまうこともあります。
外壁塗装を行う時点でメンテナンスの対策を考えておくことは重要です。
耐用年数
塗料によって耐用年数は大きく異なります。
外壁塗装は行うたびに塗料以外にも足場代や職人さんへの人件費がかかります。
例えば30年の期間で、10年に一度3回塗装する塗料と、15年に1度2階塗装する塗料ではコストが大きく変わってきます。
耐用年数を考える際は、家の寿命も考える必要があります。耐用年数は長ければ良いとも言い切れません。
何を優先するのかを考えて耐用年数を決めます。
塗料の価格
塗料の価格については長いスパンで考えることをお勧めします。
塗料の費用が10万円違ったとして、それは施工費用全体の何%くらいでしょうか。目先の金額だけにとらわれすぎると失敗する一番の原因です。もちろん高ければ良いというわけでもありません。塗料の価格は機能性を考慮して適切なものを選ぶことが重要です。
03【材料別】塗料の種類
外壁用塗料を選ぶ際にはまず外壁用塗料の基本的な種類について知っておく必要があります。
外壁用塗料のもっとも大きな違いとして、塗料に含まれる材質によって性能や品質が大きく異なります。
ここでは塗料の【材料別】の種類について確認していきます。
定番の塗料
アクリル塗料
アクリル塗料は外壁用塗料としてのグレードは低く、耐用年数も5~8年程度と短めです。
近年では性能の良い他の材料を主原料とした塗料が多く開発されたため外壁塗装で使用されることは少なくなっています。
安価で手軽に使えるのでDIYや短期間に塗り替える前提の場所などに使用されています。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は外壁用塗料としてアクリルに次いで下から2番目のグレードとして知られています。耐用年数は10年前後でやや伸縮性のある塗料なのでクラックを起こしやすいモルタルが壁などには適しています。近年ではもっと性能の良い塗料が多く開発されているため使用されることが減ってきていますが、外壁材によってはモルタル塗料が最適な場合もあります。
シリコン塗料
シリコン塗料は丈夫で長持ちする割に価格も中間的でコストパフォーマンスの高さから近年ではもっとも需要の高い外壁用塗料です。
耐用年数も10~15年程度と長持ちします。外壁の機能をサポートする耐熱性や耐水性なども高く、色々な種類の外壁材とも合わせやすい塗料です。
高性能な塗料
フッ素塗料
フッ素塗料はシリコン塗料よりも機能性の高い塗料として位置づけられることが多い塗料です。実際に基本的な機能である耐熱性、耐水性、耐用年数はシリコン塗料よりも品質がたかくなります。その分価格もシリコン塗料より高くなります。
光沢があり硬い特徴がある塗料で、光沢のある外壁にしたい場合やひび割れの少ない屋根や金属の塗装に向いています。
密着しにくい性質があり下塗りに使用する塗料などに注意が必要です。
ラジカル塗料
ラジカル塗料は正確には【ラジカル制御塗料】のことを言います。
外壁塗装を行う際に発生するラジカル因子という塗膜の劣化原因の発生を防ぐ機能があり、機能性や価格もシリコン塗料とほぼ同じからやや良質のため、シリコン塗料に変わる新しい塗料として注目されています。耐用年数は10年~15年と年数だけで見ればシリコン塗料とあまり変わりませんが、外壁のチョーキングや塗膜のクラックなど劣化症状が少ない特徴があります。
無機塗料
無機塗料とは無機物により劣化要素を抑えた塗料のことです。
他の塗料には色を出す顔料含め様々な有機物が使用されています。有機物は紫外線や熱などの影響により変化して劣化します。それに対して炭素を含まない無機物は劣化に強く、他の塗料にない程の高い耐久性を持っています。そのため耐用年数は20年~30年と格段に長くなっています。その分価格も高くなりますが、外壁塗装の施工費用を考えると十分な年数とも言えます。
04【機能別】塗料の種類
外壁用塗料の機能性は単純にアクリル、ウレタン、シリコンなどの分類ではありません。シリコン塗料であれば全て同じ品質ではなく、各種類の塗料の中でもグレードがあることに注意しましょう。
シリコン塗料であれば安心ではなく、シリコン塗料の中でも安価でグレードの低いものがあります。
耐用年数についてはあくまで目安です。各種塗料の中でも長持ちするものとそうでないものがあり、耐用年数以内であっても劣化症状の出方に差があります。価格だけで選ばず、外壁塗料としての機能をよく知ることが大切です。
共通する機能
断熱性(遮熱性)
断熱性とは家に熱が伝わることを防ぐことで【家の中の温度を保ちやすい】【家の劣化を防ぐ】という効果があります。
外壁の断熱性が弱いと夏は暑く、冬は寒い家になってしまいます。家の中が外気の影響を受けやすいということは冷暖房の効率も悪くなるので光熱費も高くなります。
また、建物の劣化の大きな原因に【熱】があります。高温になることによる劣化、温冷の大きな温度差による劣化があります。断熱材で温度の変化を少なくすることで建物の内部も傷みにくくなります。
弾性(伸縮性)
家の外壁は地震や温度の変化で揺れたり形が変わったりします。また外壁材と塗膜の間にも多少の水分や期待が発生することがあります。硬いだけの塗料ではクラックや剥がれを防ぐことができます。
透湿性
透湿性とは水を通さず湿気だけを逃がす機能のことです。劣化した塗膜の隙間から雨などの水が外壁材に染み込むと、温度の変化によって外壁材から気化していきます。この湿気を逃がさないと外壁材と塗膜の間に気泡ができてしまい、そこから塗膜が剥がれてしまいます。
透湿性は上手く湿気を脱がし、塗膜の劣化を防ぐ効果があります。
艶
艶は外壁の見た目がつるつるとした光沢のある塗料です。【艶あり】と【艶なし】があり、艶ありは清潔感があります。対して艶なしは落ち着いた雰囲気で高級感があります。
艶ありは表面が滑りやすいためごみなどの汚れも落ちやすい特徴があります。
特殊な塗料の機能
光触媒塗料
光触媒塗料とは塗料に含まれる酸化チタンが太陽光の紫外線を浴びることで化学反応を起こし、外壁に着いた汚れを分解してくれます。分解された汚れは雨などで洗い流されます。
外壁のセルフクリーニング機能とも呼ばれ、メンテナンスの手間を省き外壁をきれいに維持することができます。
防カビ・抗菌塗料
カビや藻などは外壁の汚れとしてこびりついて外観を悪くしてしまいます。カビや藻は外壁の深くまで生えてしまうとなかなか落とすことができないだけではなく外壁の塗膜も劣化させてしまいます。
塗料の中に防カビ剤や抗菌剤を混ぜた抗菌塗料を使うことで外壁のカビ、藻の発生を抑えることができます。
低汚染機能
外壁の汚れは風邪などによって運ばれてきた砂や塵など汚れの元になるものが雨などの水と混ざり、外壁の表面と親水してしまうことで外壁に定着していきます。
低汚染塗料は外壁表面に汚れの元が付着することと、汚れた液体が外壁に定着する親水を防ぐ効果があります。汚れが付きにくいのでカビや藻の発生も防ぐことができます。
耐火塗料
耐火塗料とは防炎とは違い、火災時に建築材を守る機能を持つ塗料です。
主に鉄骨に使用することが多く、耐火塗料を塗ることで火災時に断熱層を形成して建物の心臓となる鉄骨が崩れ落ちるのを防いでくれます。
05塗料と外壁材の相性
モルタル
モルタルはセメントに砂を混ぜた外壁材です。外壁材の中でもクラックが起きやすい特徴があります。クラックからの水の侵入、劣化を防ぐために【弾性塗料】との相性が良いです。
塗膜の硬いフッ素塗料や無機系塗料など、硬い塗膜を形成する塗料を使用するとモルタルの動き、クラックと同時に塗膜も割れてしまいます。
弾性塗料は揺れや外壁材の変化に合わせて伸縮します。モルタル材にクラックが起きても塗膜が防水機能果たしてくれます。
窯業系サイディング
窯業系サイディングでは、サイディングボードの水分をうまく逃がしてくれる【透湿系塗料】との相性が良いです。
窯業系サイディングはサイディングボードをくみ上げて外壁を覆っています。ボードそれぞれは硬く丈夫です。サイディングボードはつなぎ目のシーリングが傷み、サイディングボードに水が染み込むようになります。
防水性の高い弾性塗料を使用すると、サイディングボードから放出される水分が塗膜の内側に溜まり塗膜を剥がしてしまいます。
水の侵入を防ぎ、内側からの湿気の身を逃がしてくれる透湿系塗料がサイディングボードの弱点を補ってくれます。
金属系サイディング
金属系サイディングはあらかじめコーティングされている物があり、外壁材と塗膜の密着性を高める下塗り塗料の選択が重要です。
金属系サイディングの弱点は錆びです。錆びを防ぐために水分や汚れを付着しにくくするためにフッ素コーティングや親水性加工されている場合があります。汚れだけではなく塗膜の密着も妨げてしまうため適切なプライマー、シーリングを使用した下処理が必要です。
金属系サイディングは熱をため込みやすい外壁材なので、熱に弱い弾性塗料は気泡を生じやすく相性が良くありません。
ALC外壁材
ALC外壁材は【透湿性の高い塗料】との相性が良いです。
ALC外壁材はコンクリートでできた外壁材です。ALC外壁は軽くて丈夫、断熱性や防音性も高い高機能な外壁材ですが、水が染み込みやすいという弱点があります。外壁材に染み込んだ水分は適切に排出されなければ塗膜の内側に水泡を作り、塗膜を剥がしてしまいます。
また水分が内側で凍って内部から破損する凍害を防ぐためにもALC内部に水をため込まないようにすることが重要です。
06【塗料の色】効果と特徴
色の持つ心理的効果
色は見た目だけではなく心理的にも影響を与えます。色の持つ特性も塗料の機能の一つです。自分のイメージに合った雰囲気をつくれる色を選ぶことがおすすめです。
・白:純粋、清潔、軽い
・黒:高級感、威厳、重厚感
・赤:情熱、興奮。活力、食欲増進
・黄:元気、陽気、希望
・緑:自然、安らぎ、癒し
・青:知的、落ち着き、落ち込み
色の機能
色によって光を吸収したり反射したりする特徴があります。この効果は断熱性や外壁材へのダメージにも影響します。
熱
白など明るい色は熱を反射します。逆に黒など暗い色は熱を吸収しやすくなります。
外壁に使用する場合は熱に対する影響も考慮して選びます。熱をため込みやすい色を選ぶのであればしっかりとした断熱など対策をしておく必要があります。
劣化
色の劣化【色あせ】は塗料が紫外線などを受けて色の元となる色素が劣化していくことで起きます。色あせと色は関係があり、あせすい色とそうでない色があります。濃い色は色あせが目立ちやすく、その中でも赤は劣化しやすい特徴があります。
人気の色
外壁に使用される塗料で人気が高いのは汚れが目立ちにくく、メンテナンスの手間が少ない色です。それでいておしゃれな色が人気です。外壁塗装では赤や青、緑など彩の明るい色よりも落ち着きがあり、汚れや劣化が目立ちにくい色が人気です。
具体的には以下の色が外壁の色として良く使用されます。
・グレー
・ベージュ
・アイボリー
・白
・黒
・ブラウン
07有名な塗料メーカー
総合塗料メーカー
日本ペイント
日本ペイントは1881年創業の日本で初めて塗料の開発に成功した歴史ある塗料メーカーです。北海道から九州まで全国に拠点があり、取り扱う塗料は国立競技場や学校、車など幅広い塗装に使用されています。
関西ペイント
関西ペイントは日本ペイントに次ぐ歴史と規模を持つ塗料メーカーです。日本ペイント同様全国に拠点があり、専門に扱う塗料は住宅だけではなく工業建築、大型施設、車など幅広い分野に通じています。
建築に特化した塗料メーカー
エスケー化研
エスケー化研は溶剤を製造・販売する分野から塗料分野へ進出してきたメーカーです。全国に拠点、支店、海外にも多くの拠点があります。主に建築塗料を専門的に取り扱い耐火、断熱など高性能な塗料の開発を行っています。
アステックペイント
アステックペイントは外壁用塗料を専門とする塗料メーカーです。直販体制を整えて高品質な塗料を安価で販売しています。人気のラジカル塗料やシリコン塗料も業界最安値でありながら確かな品質を持っていることから多くの塗装会社で取り扱われています。
AGCコーテック
AGCコーテックは住宅、ビルなどの建築外壁、工業建築、鉄柱などの防食塗装を専門的に取り扱う塗料メーカーです。フッ素塗料の先駆者であり、フッ素塗料に特化しています。自社塗料の取り扱いに対して認定証を発行し、認定施工店だけが使用できる塗料も取り扱っています。
08塗料で失敗しない塗装会社の選び方
塗料の知識だけがあっても実際に施工する塗装会社の技術が低かったり、手抜きをする悪質業者であったりしたら意味がありません。塗料の知識に加え、適切な塗装会社を選ぶ知識も重要です。
適切で優良な塗装会社の選び方について確認しておきましょう。
怪しい営業トークに注意
外壁塗装では料金や手順などが分かりにくいため、塗装工事が始まってから失敗に気付くことがほとんどです、悪質業者はそれをわかっていて甘い言葉で誘ってきますので注意が必要です。
値引きに注意
大幅な値引きやお得感の演出には注意が必要です。
外壁塗装にはそれなりの金額が掛かりますが無意味に高いわけではありません。
・塗料代金
・職人・営業の人件費
・資材費用
・足場代
優良な塗装会社では見積金額を大きく見積もったりはしません。必要な金額を示したうえで大幅な値引きをするということは初めから適正な価格ではなかったということになります。また相場より大幅に安い場合も注意が必要です。価格を下げるということは材料の品質を下げるか人件費を適切に支払わないということです。劣悪な素材を使うか手抜き工事につながります。優良な塗装会社ではこのような値引きは行いません。
契約までの正しい手順
外壁塗装会社と契約するまでの基本的な流れを把握しておきましょう。この流れを省略してあまりにも早い結論と契約を迫ってくる塗装会社には注意が必要です。
塗装を希望して自分から塗装会社に連絡する場合や訪問営業によって塗装を検討される場合でも同じです。塗装会社は以下のことを確認します。
・塗装時期の希望
・塗装の必要性についての説明
・希望される塗装の仕上がり(塗装カ所や塗料の決定)
・家の調査
・見積もり
これらには1週間から2週間ほどかかります。訪問による即決契約というのはあり得ないので気をつけましょう。
契約を急かされていないか
外壁塗装は信頼が命です。きちんとした必要性を理解したうえで家の状態を調査して手順を踏んで契約に至ります。簡単な診断や条件を付けて契約を急がせる場合は注意が必要です。キャンペーン中だから、モニター価格だからという誘い文句にも注意しましょう。
塗装会社の仕組みを知っておこう!
塗装会社にもいろいろな種類があることを知っておきましょう。塗装会社の仕組みを知らないとだれが責任をもって施工してくれるのかが分かりません。施工する職人の技術によって外壁塗装の品質は大きく変わるので、塗装会社がどのような仕組みなのかは重要です。
下請け型
営業職と実際に塗装する業者が違うタイプの塗装会社です。依頼する会社と施工する会社が違うということは教育や指導、技術などが一貫していないため、請け負おう会社によって品質に差が出てしまうことがあります。口コミなどで良い評価でも、実際に依頼した際に技術の高い塗装会社が施工するとは限らないというリスクがあります。
自社施工型
営業と塗装工事を自社で一貫して行う塗装会社です。営業の説明から調査、価格、施工まで一貫して行うため対応も早く信頼性も高くなります。請け負う職人の技術佐賀あったとしても、一貫した教育や指導を行っているので仕上がりの品質に大きな差は出にくい特徴があります。
信頼性の確認
塗装会社の信頼性や技術を確認する方法として資格、認定施工店制度、塗料メーカー表彰状、実績の評価を確認することが挙げられます。
資格
外壁塗装を行う職人の資格として厚生労働省が認める【1級・2級塗装技能士】という資格があります。知識と実技に関する試験を受け、合格した場合に認められる資格です。この資格を持っている職人は一定以上の知識と技術があるということになります。
認定施工店制度
認定施工店制度とは、塗料メーカーが塗料を正しく扱える技術を持った優良な塗装会社に対して認定要件を満たした場合に認定証を発行する制度です。
基準は各塗料メーカーによって異なりますが、認定されるためには一定以上の技術や実績が必要になります。塗料は相性や化学反応など使用方法によって品質の差が大きく出てしまいます。自社の塗料を適切に使用できることを認めた場合に発行されるものです。
実績の評価
外壁塗装会社によってはホームページなどで施工実績を見ることができます。どのような塗装を行っているのかを見ると得意なジャンルや技術などを知ることができます。複雑な模様の外壁塗装や公共の橋、鉄塔などの塗装実績など、どのようなジャンルが得意なのかを知ることができます。
09失敗しない外壁用塗料の選び方まとめ
外壁塗装の塗料選びでは外壁の材質、家の構造、必要な機能性に適した塗料を選ぶことが重要です。
外壁塗装では色選びがもっとも難しく、そして楽しみでもあります。しかし機能性を無視した色選びではせっかく塗装しても異常が出たり思った効果が得られなかったりします。
外壁塗装では機能性とその必要性に応じた塗料を選ぶことが大切です。
今回まとめた住宅に合った外壁塗料の選び方を参考に、満足のいく住宅にしてください。