外壁の色選びを解決!色の組み合わせ方を5つのポイントで徹底解説

目次

01外壁をおしゃれに魅せる色の組み合わせとは

外壁の色を決める際に事例集、画像、写真だけを参考に外壁の色を決めようとしていませんか?画像の印象だけで外壁の色を選ぶと失敗する可能性があります。ネットで検索したおしゃれな家は実際に自分が住む家とは違います。

・家の形
・外壁材
・色の濃淡・明暗
・色のバランス・比率
・配色位置
・周囲の環境

など

簡単に考えてもこれだけの違いがあります。そのまま真似しても同じようになるとは限らないのです。
しかしプロでもない限り画像以外で参考に出来るものが少ないのも事実です。

そこでこの記事では画像を参考にしながらも自分で色の組み合わせを考えることが出来るようになるために次の5つのポイントについてまとめました。

自分で色を決める5つのポイント

・色の基礎知識
・色が持つ効果
・外壁としての色の特徴
・外壁の配色パターン
・外壁の色を選ぶ基準

この記事を読めばおしゃれな家のデザインを参考に、自分の家の外壁の色をどうやって決めたらいいのかが分かるようになります。
実際に色を選ぶにはどうしたらいいのか、その色を選ぶメリットデメリットを理解して基準にすることが出来ます。
外壁の色選びや組み合わせで悩んでいる人は参考にしてみてください。

02色の基礎知識を知る

まずは色を選ぶために必要な色の基礎知識について確認しておきましょう。

色の性質

色はレッド、ブルー、グリーンという名前ではなく性質の違いによる分類があります。難しく考える必要はありません以下の3つの性質だけでも覚えておきましょう。

・彩(いろどり)があるかないか
・濃いか薄いか
・明るいか暗いか

色の性質は色を組み合わせるときに影響する基本的な知識となります。

有彩色と無彩色

彩(いろどり)とはレッド、ブルー、グリーンなどの色味のことです。彩のある色のことを【有彩色】と呼びます。逆に彩が全く入っていないホワイトやブラックを【無彩色】と呼びます。

▽ 有彩色の例(彩のある色)
有彩色

有彩色は組み合わせしだいでたくさんの色味を作ることが出来ます。無彩色であるホワイトやブラックも混ぜ、組み合わせは無限大です。

▽ 無彩色の例(彩のない色)
有彩色

無彩色は【ホワイト】【ブラック】と、この2つを混ぜた【グレー】だけです。

色の濃淡

色の濃淡とは色から感じることのできる色の濃さや薄さのことです。色は含まれる色素の濃さ、薄さの比によって違いがうまれます。
例えばレッドとホワイトで作れる色ですが、レッドとホワイトの比率によって濃淡は変化します。

色の濃淡

レッドの中にもピンク近いレッド、紫に近いレッドなど、混ざっている色の濃淡によって様々なレッドが存在するということを覚えておきましょう。

色の明度

色の明度とは色から感じることのできる明るさや暗さのことです。色はホワイトの比率が増えると明るく感じ、ブラックの比率が増えると暗く感じる特徴があります。

色の濃淡

色の相性

色には相性があります。色の相性の良し悪しには法則があります。おしゃれな色の組み合わせは偶然や間隔だけで作られているわけではありません。それぞれが隣り合ったとき、同じデザインに存在したときにどのように影響し合うかという相性を考えて作られています。

色の組み合わせを考えるときには下のような【色相環図】というものを参考にします。
それぞれの色の関係性を表した図です。

色相環図

近い色は相性が良い

相関図で隣り合っている色、近い場所にある色は似た性質を持つ色です。近い色同士を組み合わせるとしっくりくる、違和感の少ないデザインになります。
合わせやすい反面お互いの色がなじんでしまい、ぼやけた印象になりやすいというデメリットもあります。

▽ 近い色の組み合わせ例
近い色は相性が良い

遠い色は目立ちやすい

相関図で離れている色、特に正反対の場所にある色は性質が大きく異なる色です。遠い色同士を組み合わせるとお互いの足りない要素を引き立て合って目立ちやすくなります。
目立つということは違和感を強調することでもあり、使い方を間違えると落ち着きのないデザインや不快を感じるデザインになりやすいというデメリットもあります。

▽ 遠い色の組み合わせ例
遠い色は目立ちやすい

色の数

色は相性だけではなく使う数に注意が必要です。
色の使用数は3色が最もバランスよくまとまったデザインを作りやすい数です。

相性の良い色をたくさん使えばおしゃれになるというわけではありません。
色を使いすぎると相性の良い色でも全体がごちゃごちゃしてまとまりのないデザインになってしまいます。

▽ 色の使い過ぎ例
色の数

絶対に3色にこだわるというわけではありません。色の数が増えるとそれだけ色使いのテクニックが必要になります。
色の数は少なければ少ないほどシンプルに美しくまとまります。3色を基本として、多くても4~5色程度で全体をデザインしましょう。

03色の効果を知る

色はただ鮮やかさを感じるだけではありません。私たちは気がつかないところで色による影響を受けています。

この章では色の効果について確認していきます。外壁に関係する色の効果は以下の3つです。
・毎日見る外壁の色が与える心理的効果
・風水学から考える色の効果
・外壁としての機能に差が出る色の効果

好き嫌いやおしゃれかどうかだけではなくそれぞれの色が持つ効果について知り、どのような意図でその色を選ぶのか明確にしておきましょう。

心理的効果

私たち人間は毎日色から心理的な効果を受けて生活しています。明るい色で元気になり、落ち着いた色で癒される。色にはそんな効果がたくさんあります。
色といっても色の種類は無限にありますのでここでは基本的な色が持つ効果について確認しておきましょう。

▽ 色の心理効果
色の心理効果

色の心理的効果はデザインによって大きく変わります。
例えば赤と黄色を前面に押し出したデザインは警告色として見る人に不快感を与え、「危険だから気を付けよう」という心理的効果を生みます。住宅でこのようなデザインは不向きです。

色には【軽さ】と【柔らかさ】を感じさせる効果もあります。
色の心理効果 原色より淡い色やホワイトが混ざると軽さや柔らかさを感じやすくなります。
逆に濃い色や黒が混ざってくると【重さ】や【硬さ】を感じる色になります。

風水での効果

風水は占いや魔法ではなく色の持つ心理効果や方角、太陽や地理、立地などを考慮した人の動きや反応を元に考えられた学問です。
運気に関してはいろいろな考え方があるのですが、色選びの基準として風水での色の効果や吉とされる方角について確認しておきましょう。

▽ 風水での効果と相性の良い方角
風水での効果と相性の良い方角

運が良くなるからというおまじないとして色を選ぶことはお勧めしません。風水によって運気が良いとされるのは、色や方角によって人が刺激を受けることによります。
例えばグレーにすれば勝手に良い仕事が舞い込んでくるのではなく、グレーという色に人は信頼感を感じ、仕事を任せても良いのではないかという気持ちになりやすい心理や、真面目に働こうという心理になりやすい傾向があるということです。
風水は自分が頑張りたいものに合う色があれば参考にしてみる程度にしましょう。

メンテナンス効果

色には人の心理だけではなく物理的な効果もあります。

・汚れ目立ちの違い
・色あせの早さの違い
・熱による劣化の違い

色は見た目や印象だけではなく家のメンテナンスの手間にも関係してきますので、この3つの効果については確認しておきましょう。

汚れにくさ

ホワイトやブラックは汚れが目立ちやすい特徴があります。
ホワイトはカビやコケ、砂ホコリ、油などあらゆる色の汚れが目立ちます。
ブラックは汚れが目立ちにくそうですが外壁は砂など白っぽい汚れも受けやすいためブラックも汚れは目立ちやすい色です。
汚れが目立ちにくいのは汚れに近い色です。多くの汚れに近い色として次の色が人気です。

・グレー
・ベージュ
・アイボリー

汚れの目立つ色を選びたい場合は汚れがつきにくい低汚染塗料など、塗料の機能でカバーできます。

色あせ

塗料は紫外線など太陽の光と熱を受けることで劣化していきます。色によって光を通す性質が違うため色によって劣化の速度は異なります。
紫外線の影響を受けやすいレッドやイエローは色あせしやすい特徴があります。色あせしやすい塗料を選ぶ場合は紫外線防止塗料など退色に強い塗料を選ぶことでカバーできます。

熱のため込み

黒や紺など黒に近い色は熱を吸収してため込みます。熱は塗料や外壁材の劣化を早めるだけではなく家の中にも熱をため込みやすくなります。外壁が厚くなることで夏場の冷房効率も悪くなり、暑くて過ごしにくい家になってしまうこともあります。
熱をため込みやすい色を選ぶ場合は熱を遮る遮熱性の高い塗料を選ぶことでカバーできます。

04外壁としての色の特徴を知る

ここまで色について確認してきました。しかしその色を外壁に塗ったらどうなるでしょうか?
実は外壁塗装のトラブルで多いのが「思った色と違う!」という事例です。
そうならないためにも外壁の色としての特徴を確認しておきましょう。

光の影響

色を見る際に【どんな光の下でその色を見ているか】ということが重要です。
多くの場合、色の見本を見るときは家の中で見ています。多くの場合蛍光灯等屋内の照明器具を使って色を見ています。
しかし、外壁を実際に見るのは外で、太陽の光に照らされています。

例えば白い布を黄色い明りの下で見たらどうなるでしょうか?

色はその物体を照らす光の色に影響されます。色を見る際はどこで、どんな光で見ているかということは気にかけておきましょう。

面積の影響

色は大きさや見る距離によって違って見える特徴があります。
ホワイトの外壁。それは本当にホワイトでしょうか?間近でよく見たらグレーやアイボリーだったということがよくあります。
カタログや見本板を見たとき、はっきりと色味のあるベージュだったのに外壁に塗ったらほぼホワイトにしか見えない。ということが起きます。
錯覚を避けるために、小さな見本で見る場合は「実際に塗ったらこれより薄く見えるんだな」と理解して見本を見る必要があります。どうしても心配なら同じ色を塗った外壁の家を紹介してもらうなど実物の確認をしましょう。

周囲の色の影響

色は別の色に囲まれる違う色に見えるという特徴があります。
外壁の色では周囲の色や環境によって見え方が変わってきます。

周囲の色の影響

例えば同じアイボリーの外壁にしたとしても
・森林に囲まれたグリーンやブラウンの多い環境
・新築の白っぽい家が多い住宅街
・派手な色合いの外壁が多い住宅街

など外壁の周囲の色によって自分の家の外壁も違って見えてくるということを理解しておきましょう。

05外壁色の組み合わせ事例

メイン1色

外壁の色を1色で統一するデザインは最もシンプルでまとめやすい方法です。
色は3色くらいでまとめると良いのですが、1色では物足りないのでは?と思われてしまうかもしれません。
実は住宅全体が1色になるということは現実的には起きにくくなっています。
・屋根
・玄関ドア
・窓
・付帯物(雨どいや軒下、ベランダ等)

など

これだけでも5種類あります。すべてが同じ色になることはなく、全体としてのバランスを考えてメインとなる色を1色選ぶ方法です。大きな面積を占めるのは外壁と屋根の色の組み合わせを相性の良い色にすると外壁が引き立てられておしゃれになります。

ツートンカラー

ツートンカラーとは外壁の色を2色にする方法です。階によって分ける場合と縦の模様として分ける場合があります。

ツートンカラーにする際は以下の点で注意が火通用です。
・色の相性
・色の比率
・色の位置

色の相性

ツートンでは相性の良い色を組み合わせることでおしゃれな外壁を演出します。合わせ方としては色相関図の近い色やホワイトを合わせると合わせやすくなります。
色相関図の遠い色を配置するとお互いを強調しあって落ち着かないデザインになります。

▽ 色の相性の例
ホワイトで調整した色 色相環の遠い色 色相環の近い色

色の比率

ツートンカラーでは色の比率によってもデザインが大きく異なります。
どちらの色をメインにするのか、どのくらいの比率にするのかによって全体の印象が変わってきます。

▽ 色の比率の例
色の比率の例 色の比率の例

色の位置

ツートンカラーでは色の位置も重要です。色には重さや硬さなどの印象を与える効果があります。家の角に硬い色を配置することで引き締まった印象になります。
また上下で色分けするツートンカラーの場合、重たい色を上に持ってくると下が潰れたような印象や違和感を与えることがあります。

▽ 上下の位置による印象の違い
上下の位置による印象の違い

▽ 角の配色による印象の違い
角の配色による印象の違い

プラスアクセント

プラスアクセント

少し個性的なデザインになりますが、1色やツートンカラーにアクセント強めのカラーをプラスする組み合わせ方法があります。
例えばブラックやダークブルーのようなシックで重厚な印象の外壁に玄関ドアやベランダなどの付帯物を木目調のブラウンで際立たせるという方法です。

06外壁色の選び方

色の特性や使い方について確認してきましたのでここからは具体的に色を選ぶおすすめの方法について紹介していきます。

人気の色

特にこだわりがないのであれば人気の色を参考にするのがおすすめです。

外壁に使われる色人気TOP3

・ベージュ
・グレー
・ホワイト

外壁色の人気TOP3は長年にわたってほとんど変動がありません。
そのくらい定番の色がこの3色です。人気には理由があります。

この3色に共通しているのは、
・他の色と組み合わせやすい
・悪目立ちしない

ということです。

ベージュとグレーは汚れも目立ちにくいということからずっと1位と2位を争い続けています。

人気があるということは多くの人が外壁の色として使い、長年経っても後悔しないデザインになりやすいということが立証されている色です。
基本となる色を人気の高い色から選び、濃淡や他の色との組み合わせで個性を出していくという方法で色を選んでいきます。

屋根との組み合わせ

屋根の色との組み合わせという視点から外壁の色を決めるという方法もおすすめです。

日本の住宅では瓦屋根の風習からブラックやグレーなど瓦屋根を基本とした色の屋根が多いのですが、海外ではオレンジやレッド、ブラウンなどの屋根も多くあります。
例えばブラウンや赤みの強いカラーの屋根にベージュやライトイエローなど柔らかい色が合います。

もし屋根の色を変えられないのであれば屋根の色を基準にして合う色を探してみると、住宅全体のデザインのバランスが整います。

機能性

外壁を長持ちさせたい、経済的な負担を減らしたいという場合は機能性を重視した色選びの方法がおすすめです。

外壁塗装を長持ちさせるポイント

・色あせに強い
・熱に強い
・汚れに強い

上記のポイントに当てはめるとやはりグレーやベージュが当てはまりやすいのですが、アイボリーや他の中間色も有効なものがあります。
塗料の性能によってこの弱点を抑えることが出来るものもありますので、外壁塗装を依頼する際は担当者に取り扱いがあるかどうかを確認してみましょう。

周囲の環境

外壁の色は自分たちの生活だけではなく他人や他の生き物たちにも影響を与えます。周囲の環境や色に合わせた色を選ぶという方法があります。特に山間部や河川に近い場所では虫や植物による影響を考えた色選びがおすすめです。

周囲の色

色選びでは周囲の環境を配慮することは重要です。自分の家だけを見ていると周りから浮いたデザインになってしまうことがあります。周りから浮くというのは個性とも言えますが、それなりのデメリットが発生します。

例えば落ち着いたベージュやアイボリー、シックなブラックなどの外壁が並ぶ住宅街でショッキングピンクとレッドの奇抜な外壁にした場合、目立つだけではなくそのデザインを不快に感じる人も出てきます。

虫による影響

虫は月に向かって飛ぶ習性があります。イエローは月と間違えて虫が集まります。森林や河川、自然が多い場所では虫による影響も考慮して色を選びます。ブラックやグレー、ブラウンは虫が寄りにくい色として知られています。

羽虫や蛾が集まるとそれを食べるために蜘蛛も集まりやすくなります。虫の市街や蜘蛛の巣、それを食べる動物のフンなどにより外壁や家の周辺も汚れやすくなります。

お気に入りの色でも虫が多い地域では虫が好まない色を選ぶようにしましょう。

植物による影響

植物の多い環境では枯葉が積もったり蔦が這ったりします。色は枯葉や蔦の成長を止める効果はありませんが汚れは目立たなくすることが出来ます。ブラウンやブラック等の色を選ぶことで汚れ目立ちを抑えることが出来ます。
また湿気が多く森林や河川が近い場所では外壁にカビやコケが発生しやすくなります。

植物の多い地域では周囲の色と共に植物による汚れについても考慮した色を選びましょう。

07まとめ

外壁の色を選ぶ時には組み合わせが大事です。参考事例だけで色を選んでもあなたの家に合うとは限りません。自分で色を決めるにはまず色のことを知る必要があります。

色の持つ特徴や相性について基礎的な知識だけでも確認しておきましょう。色には心理や運気と熱の蓄積や色あせなど物理的な効果もあります。自分がどんな生活を送りたいか、色にどんな機能を求めるのかによって選ぶ色も変わってきます。

選ぶ色がある程度決まったら組み合わせ方や配置について決めていましょう。最終的に屋根の色や周囲の環境とマッチするのか、それに合わせて色の濃淡や機能性を含めた塗料の選択を行っていきましょう。
これから外壁の色を決める人、どの色にしようか悩んでいる人はこの記事を参考に自分に合った色を探してください。